筑波山神社 ご神橋の修理工事


筑波山神社のホームページ( http://www.tsukubasanjinja.jp/ )には記載はない(H30年8月19日現在)ようですが、
茨城県指定文化財でもある、ご神橋が修理工事中です。


掲示された看板によると、工事期間は、
平成30年5月23日~平成31年10月31日
とのこと。

ということは、1年以上後の
来年の11月1日の秋の御座替祭に
きれいになった姿キラキラが見られる
ということですね。





脇に寄せられた、橋の周りの奉納の石柱の数々。










・・・でもせっかく筑波山神社に行ったのに、来年の秋まで見られないじゃないの泣
・・・という方、工事施工の看板に注目!

工事をしているのが、『金剛組』!

こちらの会社、寺社建築専門であり、創業が飛鳥時代 西暦587年!
 詳細: 金剛組ホームページ http://www.kongogumi.co.jp/index.html

578年といえば、聖徳太子の時代ですよっ!びっくり

上記の同社ホームページによると、2006年からは『株式会社高松コンストラクショングループの一員とのことですが、それにしても、日本最古の、一説によると世界最古の会社。

さすが、茨城県指定文化財の修繕工事です。

ご神橋の姿は来年2019年(11月は『平成』ではありませんね)の秋までお預けですが、この看板は一見の価値がある!かもしれませんちょき



でも工事中の覆いに囲まれた姿はさみしいので、
工事の2か月程前、今年2018年3月上旬撮影した ご神橋の写真の掲載しますね笑

まずは鳥居をくぐって見えてくる姿。
(この記事冒頭の、工事中の写真と見比べてみて下さいね♪)








正面から近づいて、天井方向を見たところ。
(2018年3月上旬撮影)











脇から見た姿。
こうやって見ると綺麗ですねハート
(2018年3月上旬撮影)








このご神橋は、
寛永十年(1633年)三代将軍 徳川家光が寄進
元禄15年6月(1703)五代将軍綱吉が改修

(筑波山神社ホームページ 「みどころ」ページ http://www.tsukubasanjinja.jp/guide/midokoro.html より)
とのこと。 

修繕工事が終わったら、きっと江戸時代初期から中期の頃のような、鮮やか姿になってお目見えするのかなキラキラ

その時を楽しみにしていましょう♪







  

茨城こんなもの見つけた♪(39) 鹿島の帯占い


以前、当ブログで、鹿島神宮の『常陸帯』と、筑波山神社の筑波山神社の『常陸帯宮』関係のナゾについて触れました。

豆電球参照:
シリーズ『筑波山名跡誌に書かれた場所を訪ねて』 (1)常陸帯宮(前編)
シリーズ『筑波山名跡誌に書かれた場所を訪ねて』 (1)常陸帯宮(後編)

もともと鹿島神宮の『常陸帯』には、どうも
『安産祈願』
『縁結び』
の二つの信仰があったようだということを、シリーズ『筑波山名跡誌に書かれた場所を訪ねて』 (1)常陸帯宮(後編) で考察しました。

そして現在の鹿島神宮では別々になって、
安産のお守りである、『常陸帯守
縁結びの占い『鹿島の帯占い
として、それぞれ社務所で授与されています
豆電球詳細:鹿島神宮ホームページ



鹿島神宮拝殿(2018年6月下旬撮影)

先日、鹿島神宮に行った際()、確かに、『常陸帯守』も『鹿島の帯占い』も社務所に並んでいるのを確認してきました♪







今回は、『常陸帯守』は購入しませんでしたが、『鹿島の帯占い』は購入しましたちょき

パッケージの色は何色かあるものから選べます。
私は淡い黄色のものを選びました。
(大きさの比較のため、十円玉を置いています)









帯占いの方法が書かれた看板。

お願いを神様にお祈りした後、三角のパッケージを閉じたまま、4本の紐の端を2本ひと組で結んで、それからパッケージを開けて紐を取り出して、結び目の形で占います。

良い結果のものはお守りとして持って置き、イマイチの結果の時は、神社内の結び所に結べば、願いが叶うようお祓いしてくれるとのことキラキラ


ということで、本来は占い用なのでその場で作法に従って紐を結んで占うのですが、私は結ばずに自宅に持ち帰って、家の神棚に置いております(^^)


さて、上述した以前の記事にも書きましたが、鹿島神宮の『常陸帯』と、筑波山頂上にある『常陸帯宮』には、どうも隠された関係がある?! ようキラキラで、ロマンとミステリーに勝手にワクワクハートしております。



筑波山頂上(男体山頂上付近)の一角にある、『常陸帯宮』の祠。

 豆電球『常陸帯宮』については、筑波山神社公式ホームページの 『筑波山神社とは 筑波山神社由緒』 、のページに記載があります。


加えて、江戸時代の文献(文献1)によると、常陸帯宮では江戸時代、『誓願つつじ、満願つつじ』と呼ばれて、良縁を願って周囲のつつじにした願掛けが人気だったキラキラというのも、大変興味深いです。




芽鹿島神宮と筑波山神社(常陸帯宮は筑波山神社の摂社)でコラボすると、パワースポット好き女子や縁結び祈願の女子に人気が出ると思うんですが、いかがでしょう?(女子は男子を連れてきますし)キラキラ

ただし、筑波山の上部は特別保護地区で、植物の採取はもちろん、傷つけるのも禁止されています。
なので、つつじに直接結ぶのはご法度なので、そこは人工のツツジを作って設置したりするとか、知恵の出しどころグッドかと。
拙ブログをご覧になった関係者の方、ご検討ください(^^)v


(ご参考)鹿島神宮参拝を含め、東国三社巡りについての報告は、前回の記事
 茨城こんなもの見つけた♪(38) 東国三社守
に書きましたのでをご覧ください笑


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【参考文献】

1. 『筑波山名跡誌 安永期の貴重な地誌再現』 上生庵亮盛 著 桐原光明 解説 (ふるさと文庫) 筑波書林 










  

茨城こんなもの見つけた♪(38) 東国三社守


東国三社」とは、鹿島神宮香取神宮息栖神社の三社のことです。
鹿島神宮(常陸国一の宮)は茨城県鹿嶋市、息栖神社は茨城県神栖市、香取神宮(下総国一の宮)は千葉県香取市にあります。

その三社を巡って参拝する『東国三社参り』は、江戸時代に大いに流行ったそう。

豆電球東国三社参りについては、
●神栖市ホームページ http://www.kamisu-kanko.jp/power/
●神栖市観光協会ホームページ http://www.kamisu-kanko.jp/kankou-page/ikisu.html
にも説明があります。

関東以北では伊勢神宮参拝の前後に、『裏参り/伊勢裏参り』『伊勢の蔭参り』といって、この鹿島神宮と香取神宮の二社もしくは、息栖神社も加えた東国三社を巡拝する風習が今もあるそうです(文献1、2)。

さて嬉しいことに、東国三社を3つともお詣りすると完成する
東国三社守
というお守りがありますちょき

まず3つの神社のうちの1つの神社で、ストラップ型三角柱の御守りを購入します。
すると、その神社のご神紋が既に貼られています。

今回、私は最初に鹿島神宮で購入したので、三角柱の一つの面には鹿島神宮の青色のご神紋シールが貼られていました(写真左の黒いパッケージ)。

残り2つの神社を参拝して、そこでそれぞれのご神紋が描かれたシール型お守り(写真右の上下の赤色と黒色の、キラキラと綺麗な立体的シール)を購入して、三角柱のそれぞれの面に貼っていきます。



【鹿島神宮】

今回、私は鹿島神宮からスタートしたので、こちらで三角柱の御守りをまず購入。
(2018年6月下旬参拝)
鹿島神宮楼門










夏越しの大祓の茅の輪があったので、くぐりました♪










鹿島神宮の奥の院の更に奥の方に、有名な要石があります。
香取神宮の要石と対になっていると云われ、こちらは真ん中が窪んでいる凹型。









【息栖神社】

続いて息栖神社をお詣り。
息栖神社のご神紋のシール型お守りを購入。

息栖神社の鳥居










息栖神社の前に広がる常陸利根川の水辺のほとりには、忍潮井(おしおい)と呼ばれる2つの井戸が並びます。
一方の井戸には『男瓶(おがめ)』、もう一方の井戸には『女瓶(めがめ)』と呼ばれる瓶が古来から安置されています。

訪れた時は井戸の掃除中だったようで、藻が綺麗になっていた男瓶のある井戸で、水底の瓶が見られました。





こちらでも夏越しの大祓の茅の輪をくぐりました♪










【香取神宮】

そして最後に香取神宮にお詣りし、ご神紋シール型お守りを購入。


香取神宮の楼門。
ちょうどこの季節、花菖蒲が咲いていました。









こちらでも夏越しの大祓の茅の輪くぐりをしました。

東国三社で参拝&夏越しの大祓の茅の輪くぐりをしたので、今年の後半も元気に暮らせそうかな♪








香取神宮の要石。
こちらは頭がややとがった凸型です。









【東国三社守を完成させる】


さて自宅に帰ってから、三角柱にある、それぞれ神社の名前(難しい字体で、朱色で印刷されています)の上に、ご神紋のシール型のお守りを貼って、東国三社守を完成させました。


さて、東国三社巡りのご利益は、ネットを見るといろいろあるようですね。

3か所とも大変古い由緒の神社。
それぞれ由来も、伝説もいろいろ伝わっています。

更に3つの神社の位置関係、それぞれの神社拝殿の向き、ランドマークでもある富士山、筑波山との位置など、大変興味深いことも多くあります(文献2、3)(特に文献3に詳しいです)。

なので、ご利益は各自それぞれの好きな解釈で良いのではないかな~と私は思います(^^)v。


※今回の東国三社巡りは、聖地観光研究所(http://www.ley-line.net/index.html)主催の勉強会のツアーに参加させて頂いて巡ったものです。
聖地観光研究所主宰の内田先生、そして関係者の皆様、ありがとうございました。


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【参考文献】

1. 「茨城242社寺 ご利益ガイド」 今瀬文也 著 茨城新聞社

2. 「鹿島神宮」 東実 著 学生社

3. 「レイライン ハンター 日本の地霊を探訪する」 内田一成著 アールズ出版






  

絵解きに挑戦!筑波山神社境内社の装飾彫刻4 ~春日神社(3)


洗練され、ちょっとスノッブな仏像とは対照的に、吉祥文様を『これでもか』とちりばめた社寺彫刻は、見れば見るほど面白い!
・・・ということで、
筑波山神社の境内社(厳島神社・日枝神社本殿・春日神社本殿・日枝春日両社拝殿)の装飾彫刻の読み解きにトライしているシリーズです。

今までの記事

第1回: 厳島神社(前編・後編)
  豆電球絵解きに挑戦! 筑波山神社 境内社装飾彫刻1~厳島神社(前編)
  豆電球絵解きに挑戦!筑波山神社 境内社装飾彫刻1~厳島神社(後編)

第2回: 春日神社日枝神社両社拝殿 
  豆電球絵解きに挑戦!筑波山神社境内社の装飾彫刻2 ~春日神社日枝神社両社拝殿

第3回:日枝神社(1)(2)(3)
  豆電球絵解きに挑戦!筑波山神社境内社の装飾彫刻3 ~日枝神社(1)
  豆電球絵解きに挑戦!筑波山神社境内社の装飾彫刻3 ~日枝神社(2)
  豆電球絵解きに挑戦!筑波山神社境内社の装飾彫刻3 ~日枝神社(3)

第4回:春日神社(1)(2)
  豆電球絵解きに挑戦!筑波山神社境内社の装飾彫刻4 ~春日神社(1)
  豆電球絵解きに挑戦!筑波山神社境内社の装飾彫刻4 ~春日神社(2)



春日神社の彫刻の3回目は、脇障子、水引紅梁の木鼻 そして向拝の手挟(たばさみ)の彫刻を見ていきます。


(4)-3 春日神社 脇障子

●向かって右の脇障子



鳥は体形からのようです。
全体的に白もしくは灰白色で、翼の先、尾羽、そして脚の中ほどが黒いです。
また目から頬にかけて、細く一文字に黒いラインが描かれています。

体の色も薄めなのもあり、まだ若い鶴のように感じるのですが、どうなのでしょう?

さて、一緒に彫られている木はで、葉の様式から、『大和松』と呼ばれる松の表現。

鶴と松』は定番の組み合わせです(文献2)。







さてこちらの脇障子には、もう1種類、花を咲かせた植物があるのにお気づきでしょうか。

ちょうど、鶴の翼の辺りに松と違う葉があり、尾のそばに多弁の花があります。
葉は一部しか見えないのですが、切り込みが深い三裂の葉、そして多弁の花は、牡丹だと思われます(文献1)。
花の様子は、次に紹介するもう一方の脇障子のものが分かりやすいので、そちらを見てましょう。










●向かって左の脇障子


やはりらしい鳥が彫られています。
鶴は体を大きく下に向けており、手前にある欄干の陰に隠れて首から頭が見えなくなっています。
(もしかすると首から頭は無くなっているのかもしれません・・・汗

上方の雲らしい模様の青色が鮮やかです。

木は(『大和松』)なのは、上記の脇障子と同じです。










さて、こちらの脇障子で非常に目立つのが、大きな珠のような花のつぼみ
そして咲き始めらしい多弁の花

前回でも見たように、このつぼみの形から、そしてもう一枚の脇障子に彫られた葉の形から、牡丹だと分かります。

松の濃い緑色と、牡丹の葉の黄緑色も鮮やかですね。

でも、この大きな牡丹のつぼみは目を惹きます。
この大きな牡丹のつぼみも一緒に彫っていることといい、鶴はやっぱりまだ若い鶴を表しているのではないのかなぁ~?と妄想しますちょき
なぜ若い鶴を?・・・という疑問は置いといて(笑)。



(4)-4 春日神社 水引紅梁の木鼻

向拝の水引紅梁の木鼻の彫刻の動物を見ていきます。

●向かって左側の木鼻


まずは向かって左側の木鼻。
口を閉じている吽形です。

ぱっちりと大きな目が目立ちますね。目の上には太い眉。
鼻は象ほど長くありませんが、ちょっと長めで上に向いています。
口元には牙も見えます。
耳はなく、くるくる巻き毛です。

そして首から胸にかけては、蛇のような蛇腹。
前足は獣のよう。

文献1より、これらの特徴から、想像上の生き物の、『獏(ばく)』だと思われます。
獏は、『悪い夢を食べる』という霊獣です。
龍や象と同じように木鼻に彫刻されることが多いそう。


ちょっと違う角度から。

文献1によると、獏の眉は太くて、上部は上の方向いたトゲ状の場合と、毛がカールしてる場合とがあるようです。
こちらの獏の眉毛は、2枚の写真を比べると、角度によってちょっとツンツンした毛の眉にもカールした毛の眉にも見えますね。

彫刻の獏は、象の間違えられる位、鼻が長いものが多いようですが(参考:お隣の日枝神社の木鼻の彫刻)、こちらの彫刻は鼻は短め。
でも、その外の特徴から、やはり『獏』だと考えます。




●向かって右側の木鼻


こちらは向かって右側の木鼻。
口を開けている阿形です。

こちらの写真では、眉の毛はカールしていますね。

目が大きくて、開いた口元が笑っているように見えて、更に舌も出ているので、ちょっとワンコっぽいハート







別の角度から。
正面から見ると、彫刻が縦に大きくひび割れているのが気になります泣

でも目がとっても大きくてチャーミンググッド
・・・蛇腹を見ないで顔と前脚だけ見ていると、やっぱり 『伏せ』 して待っているワンコに見えてしまう~(^m^)
もしくは、映画『ネバーエンディングストーリー』のファルコン! ← 古い汗







(4)-5 春日神社 向拝手挟(たばさみ)


葉と花の形から、菊として間違いないでしょう。
花弁が沢山の菊の花と切れ込みの多い葉が、手挟全体に散りばめられていて、とても豪華キラキラ
見ていると、菊の芳しい香りが漂ってきそうですハート









別の角度から。
この角度から見ると、側面の大きな赤い花と対になるようにデザインされた黄色い花が鮮やかで、全体を引き締めるアクセントのようにになっていますね笑

ひさしのような向拝の下にあるので、直射日光や風雨にひどく晒されないためか、手挟の彫刻も色鮮やかに残っていますね。





このシリーズ、何回かに分けて、筑波山神社境内社の装飾彫刻を見てきました。

日枝神社の向拝の中央の蟇股の『三猿』と、春日神社の向拝中央の蟇股の『鹿』は、それぞれ『神使』ということで、時折紹介される以外は、外の彫刻はほとんど知られていません。
県の指定文化財の彫刻なのに、残念・・・。

本来ならば筑波山神社の方か、つくば市の方で小冊子の形で、専門家の説明つきで解説書を出して欲しいなぁと思うのですが。

・・・まあ、無いのなら、素人ながら私が調べて読み解いてみようと思い、このシリーズを書いてみました。

調べているうちに、寺社彫刻(『大工彫刻』とも呼ばれるようです)の面白さにはまりつつありますグッド
この次は、追々、これらの彫刻が彫られた背景など、考えてみたいと思ってますちょき



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【参考文献】

1. 『図説 社寺建築の彫刻 東照宮に彫られた動植物』  高藤晴俊 著 東京美術

2. 『日光東照宮の謎』 高藤晴俊 著 講談社現代新書





  

絵解きに挑戦!筑波山神社境内社の装飾彫刻4 ~春日神社(2)


この度の大阪北部震源の地震により被災された皆様にお見舞い申し上げます。
これ以上大きな余震が無いことを、そして一日も早く平穏な日が戻る事を心よりお祈りいたします。


神社やお寺の外側に施された社寺彫刻。
人々の祈りと願いが、様々な吉祥文様で表わされ、込められているように感じます。

洗練され、ちょっとスノッブな仏像とは対照的に、吉祥文様を『これでもか』とちりばめた社寺彫刻は、見れば見るほど面白い・・・ということで、
筑波山神社の境内社(厳島神社・日枝神社本殿・春日神社本殿・日枝春日両社拝殿)の装飾彫刻の意味の読み解きにトライするシリーズです。

今までの記事

第1回: 厳島神社(前編・後編)
  豆電球絵解きに挑戦! 筑波山神社 境内社装飾彫刻1~厳島神社(前編)
  豆電球絵解きに挑戦!筑波山神社 境内社装飾彫刻1~厳島神社(後編)

第2回: 春日神社日枝神社両社拝殿 
  豆電球絵解きに挑戦!筑波山神社境内社の装飾彫刻2 ~春日神社日枝神社両社拝殿

第3回:日枝神社(1)(2)(3)
  豆電球絵解きに挑戦!筑波山神社境内社の装飾彫刻3 ~日枝神社(1)
  豆電球絵解きに挑戦!筑波山神社境内社の装飾彫刻3 ~日枝神社(2)
  豆電球絵解きに挑戦!筑波山神社境内社の装飾彫刻3 ~日枝神社(3)

第4回:春日神社
  豆電球絵解きに挑戦!筑波山神社境内社の装飾彫刻4 ~春日神社(1)

春日神社の2回目。
今回は、春日神社母屋(もや)蟇股彫刻についてです。


(4)-2 春日神社 本殿の3つの蟇股の彫刻

こちらも日枝神社同様、ひさしのように張り出す向拝の奥にあって見えにくいのですが、 母屋の正面にも蟇股が3つあります。
カメラのズームで写真を撮って確認しました。

春日神社の母屋の蟇股の彫刻も、日枝神社同様、鳥の彫刻ですが、日枝神社とは違う種類と鳥と花であるのが確認出来ます。
やはり、向拝の彫刻と異なり、直接風雨や日光に晒されていないためか色鮮やかです。

彫られている鳥の彫刻には、

・冠羽(一重)がある。
・尾が長くで、先が細くなっている。尾羽は帯状で波打つ。
・体の色は、首から背中が緑色、翼(風切り羽)が青。腹と尾は茶色?


の特徴が見られます。

これらの特徴で彫られる鳥は、『山鵲(さんじゃく)』、『錦鶏(きんけい)』、そして『鸞(らん)
が考えられます(文献1,2)。いずれも瑞鳥、霊鳥とされています。

この中で3つ目の『鸞(らん)』は、『鳳凰』にかなり似いているそうで、非常に華やかな色彩と装飾的な尾羽などを持つようです。
が、こちらの春日神社のものは素人目に見てもそこまで華やかではないので、『鸞(らん)』は外して良いと思います。


また鳥の脇に彫られた花は、
・花弁が多弁。
・葉に深い切れ込みがある


という特徴で、前回の日枝神社(3)で見た、芙蓉か牡丹に似ています。

具体的に何の鳥と花が彫られているのか、具体的に写真を見ながら考えていきましょう。


①向かって左の蟇股:


鮮やかに色が残っていますね。
翼の風切り羽が一部青く彩色されているようです。
首~背と翼の大部分は、茶色か緑色のように見えますが、写真からでは判別ができません・・・。

長い尾は、ゆるくウェーブがかかっています。

候補の1つ『錦鶏』の尾は、まっすぐで剣のように表現されるとのことなので、
春日神社の鳥の彫刻は、どうも『錦鶏』ではなさそうです。

残るは『山鵲』ですが、
『山鵲』の尾の表現の特徴は、

・ウェーブがかかった長い尾
・他の数本よりも長い尾羽が2本ある
・尾羽の先にしずく型の模様があることが多い


とのこと(文献1、2)。


他のものよりやや長めの尾羽が2本あります。
※1本極端に短いものは、傷んで折れてしまったものようです。

ただし、『尾羽の先のしずく型の模様』は確認できず。




さて、一緒に彫られている花を見ていきましょう。


花のアップ。
花の蕊(しべ)が表現されていないのと、葉を正面から描いていないので、牡丹か芙蓉か、よくわからないですね・・・。







蕾(つぼみ)のアップ。
文献1によると、牡丹も芙蓉も蕾は丸いのですが、牡丹の場合は『広く短い萼(がく)が蕾を乗せている』のに対し、芙蓉の場合は『細く長い萼が1~3本ほど縦に蕾に張りついている』とのこと。
そうすると、この花は『牡丹』として良さそうです。

※ ちなみに前々回紹介した、日枝神社の向拝手挟の彫刻は芙蓉ですが、写真右に見える 上を向いた咲きかけの花のガクは、確かに『細くて長く縦に張りついて』います。
 豆電球参照→ 絵解きに挑戦!筑波山神社境内社の装飾彫刻3 ~日枝神社(3)





②真ん中の蟇股:


この真ん中の像が一番色鮮やかです。
首から背中が緑色、翼(風切り羽)が青。腹と尾は茶色らしいのが分かります。
腹と尾の『茶色』は、元は『赤色』だった可能性もありますね。
尾は①よりはやや直線的な表現です。









違う角度から。
手前にある向拝の柱がややじゃまをしていますが、長い尾羽があるのが分かります。
翼と尾羽の造形が綺麗ですねハート
筑波山神社境内の彫刻の中で、私が一番好きな彫刻ですハート






③向かって右の蟇股:


建物に近づけず、決まった角度からのズームアップ写真しかとれないのが残念。
でも左の翼など、鮮やかな青色が目を引きます。

また、立体的な造形と、鳥の表情もよくわかります。
なんとなく少々緊迫した表情のような気も?・・・。

尾羽の先の模様は確認出来ませんが、他の特徴から、春日神社の母屋の蟇股の鳥は、やはり山鵲(さんじゃく)として良いのではないでしょうか。

また文献2によると、山鵲は牡丹の花の組み合わせが目立つそうなので、それからしても、鳥は山鵲として良さそうです。


それにしても、日枝神社・春日神社の両社殿の動物の彫刻の中で、色彩が一番美しく残っておりキラキラ、また造形が優美キラキラなのが、これら春日神社母屋の3つの蟇股の彫刻だと思います(*^^*)

鳥の翼と長い尾羽のラインと、フリル感たっぷりの多弁の牡丹の花の組み合わせも華やかで素敵ですキラキラ


さて、日枝神社、春日神社の蟇股の彫刻を見てきて気付いたのが、

・向かって左の像:中央(自分の左)を向く
・中央の像:大きく首や体を曲げて、自分の左を向く
・向かって右の像:中央(自分の右)を向く


のパターンでほぼ統一されていることです。
しかし唯一の例外が、日枝神社の向拝中央の蟇股の『三猿』

ここに『三猿』に特別の意味があるように思えてなりません(←つい 深読み^^;)
・・・が、これについては、またの機会に考えてみたいです。


次回は、春日神社の脇障子と、水引虹梁の木鼻、そして向拝手挟の彫刻についてです。
絵解きに挑戦!筑波山神社境内社の装飾彫刻4 ~春日神社(3)



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【参考文献】

1. 『図説 社寺建築の彫刻 東照宮に彫られた動植物』  高藤晴俊 著 東京美術

2. 『日光東照宮の謎』 高藤晴俊 著 講談社現代新書





  

プロフィール
かるだ もん
かるだ もん
徒然なるままに、興味のあることを気ままに書いています。好きなことばは「中途半端も、たくさん集まればいっぱい!」(ドラマのセリフ)

地元つくばや茨城の話題を中心に、茨城の食材を使った家庭料理、民俗学もどき、国際交流、旅の話題など、趣味の記事を掲載中。

特に自分の勉強も兼ねて、
★民話・伝説紹介と、それにちなむ土地めぐり
★茨城を中心に、全国の郷土料理と食材(世界の料理も含む)の話題
の話題が多いです。

・ヒッポファミリークラブ(多言語自然習得活動と国際交流)
・観光ボランティア
・郷土食研究会うまかっぺ!茨城



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