【家庭で堪能!おいしい 茨城&つくば(90)】 『つと豆腐』 を作ってみる!


i茨城県の郷土料理で、『つと豆腐』 または 『こも豆腐』 と呼ばれる豆腐料理があります。

私が最初に食べたのは、勝田マラソンのブースで売られていた、地元食材・郷土料理がぎっしりつまった
『みなとの多幸めし』
の『つと豆腐の含め煮
でした(後でに写真を載せます)。

よくある豆腐の煮物とはひと味違う美味しさハート
でも味付けは、素朴な醤油に砂糖を加えた(おだしも入っているか?)煮汁で煮含めたものなのです。
形も、四角く切った豆腐ではありません。

その味が忘れられず、作り方を調べたところ、必要なのは、煮るときに豆腐を包む
藁(わら)つと
なのが分かりました。
そして、多分、その藁からも旨味が出ているように思いました豆電球

しかし、藁(わら)は手に入りにくい・・・泣
(以前、新聞で、藁つと納豆に使う藁が手に入りにくくなっているとの記事も読んだことありますし・・・)

代替品の一つは、手軽に、市販の不織布で作られたお茶の葉用の袋(お茶パック)を使ってみること。
これは気軽に作れてお勧めではありますちょき
・・・でも、やはりひと味、何かが違う汗。 
やはり、藁から良い味が出てると思うのです。

他にないかな?・・・と考えていたところ、夏のこの時期こそ手に入るものがあるではありませんか?

豆電球キラキラとうころこし の皮!キラキラ

早速試してみようと何度かトライして、とうもろこしの皮を使って、下記の方法のように作るとうまく作れることが分かりましたちょき


★とうもろこしの皮をつかった つと豆腐(こも豆腐)★

【材料】 3~4人分

●木綿豆腐 1丁

●煮汁: 
 醤油、酒、砂糖、みりん、水
 適宜
  ※砂糖多めの甘めが美味しいです。

●豆腐を包むつと(こも)用:
 ・とうもろこしの皮 
(とうもろこし4~5本程度分 多い方が良いです)
  手に入らない時は、市販の不織布のお茶の葉を入れるパック
 ・たこ糸 (とうもろこしの皮を束ねるため)


【作り方】
私は文献1を基本に参考に作りましたが、同書は詳細な作り方は書かれていません。
そこで文献2も一部参考にしました。
なお、後述するサイトでは、詳細にレシピが紹介されています。これを参考にされても良いかもしれません。
(特に豆腐の下ごしらえが少々違います。私は文献1に従いました)

(90) 『つと豆腐(こも豆腐)』を作ってみる!
① つと(こも)を作る。 
とうもろこしの葉を4~5本(一番広い幅で1cm程度)に裂いたものを、一つかみ(30本位?)束ねて、揃えて、先の細い方をたこ糸で結ぶ。

 






(90) 『つと豆腐(こも豆腐)』を作ってみる!
② ①を広げて器のようにして、中に、粗く崩した(生の)豆腐を入れる。 あまり多く入れないように。
  スプーンで軽く崩して入れるとやりやすいです。








(90) 『つと豆腐(こも豆腐)』を作ってみる!
③ 入れた豆腐が出てこないように包み、もう一方の端をたこ糸で結ぶ。

  この時、胴の部分も、とうもろこしの葉を裂いたもので帯のように括ると、崩れなくて良いです。
  少々強めに包むと、とうもろこしの葉の筋が豆腐に付いて、良い出来になります。
  (本物の藁を使った つと(こも)豆腐は、藁の筋が付きますので、それに近い形になりますグッド
  




  (90) 『つと豆腐(こも豆腐)』を作ってみる!
こちらは、不織布のお茶の葉用パックの中に、崩した豆腐を入れたもの。
これは楽々ですが、③のような筋が付かないので物足りません・・・。








(90) 『つと豆腐(こも豆腐)』を作ってみる!
④ 沸騰した湯に入れて、20~30分程、煮る。









(90) 『つと豆腐(こも豆腐)』を作ってみる!
⑤ 煮終わったものを、冷たい水に入れて冷ます。
こうすると引き締められて、形がキープされやすいです。








(90) 『つと豆腐(こも豆腐)』を作ってみる!
⑥ 十分冷えたものを、つと(こも)から出します。
写真は光の加減で、全体的にちょっと黄みがかって写ってしまいました。








  (90) 『つと豆腐(こも豆腐)』を作ってみる!
取り出したものを並べてみました。これで豆腐1丁分。

細長い3本が、とうもろこしの皮のつと(こも)で包んで煮た豆腐。
縦の筋が付いているのが、それっぽくて良い感じハート
右上のぽてっと丸い形が、お茶の葉用パックに入れて煮た豆腐。
(もしかすると、不織布を縦長に裂いて、つとを作ると、上と同じように筋が付いて良いかもしれません)




(90) 『つと豆腐(こも豆腐)』を作ってみる!
⑦  煮汁で10分程煮ると、まずは出来上がりです。
煮汁は一度煮立った後は、煮崩れないように、弱火で煮て下さい。


写真は煮汁が少なめです。まんべんなく味を染みこませるために、そっとひっくり返す必要がありますが、その場合、フライ返しと箸を使うと、崩れずにひっくり返せます豆電球





   (90) 『つと豆腐(こも豆腐)』を作ってみる!
斜めにスライスして、召し上がれ♪
 見た目は茶色(笑)で地味ですが、豆腐の旨味もしっかり感じられて美味しいですハート
  
味がよーく染みこんだものがお好きでしたら、二回ほど火入れをして、1日置いたものもお勧めです。
写真は、煮含めたものを1日置いたもの。中まで煮汁がしっかり染みこんでいます。

短い煮時間の場合は、中がまだ白いので、スライスすると二色になって、フォトジェニックキラキラです。



でも、なぜ、こんな手間をかけて豆腐を煮るのか?
食べてみるとよく分かります笑

一度崩した豆腐を、藁つとで外側に凸凹の筋をつける一度煮ることで、豆腐の中に隙間が出来て、さらに外側の凹凸もあって、後で煮汁で煮る時に味が中までよく染みこみます。

あとやはり、藁を使うと、藁が持つ旨味・コクが豆腐に含まれるのではと感じています。

残念ながら、とうもろこしの皮だと、少々旨味が足りない気がします。
不織布の袋だと、なおさらです・・・これはしょうがない。
なので、煮汁に出汁を入れると良いかもしれません。

あと、甘みは強い方が美味しいと感じました。
私は甘い煮物は好きではないのですが、この つと豆腐(こも豆腐) は砂糖・みりんは多めの甘い濃い味の方が味わい深いハート

そして、郷土料理としての つと豆腐(こも豆腐)は、祝い事や人が集まったときに出すご馳走
砂糖が貴重だった昔、大変なごちそうだったと思います。

藁が手に入りにくい場合、夏でしたら、とうもろこしの皮で、このように近い形で作れますグッド

先人の想いを感じながら、夏休み、お子さんと一緒に作ると楽しいです。


【つと豆腐含め煮が入っている料理の例】

(90) 『つと豆腐(こも豆腐)』を作ってみる!
ひたちなかの『多幸めし』
(写真は2015年撮影)

 豆電球ご参考まで、以前書いた記事など
 → 2015勝田マラソン 10km走ってきました♪
http://cardamom.tsukuba.ch/e267703.html






【お豆腐がちょっと出てくる、茨城の昔話】

ちなみに、こも(つと)豆腐 ではありませんが、お豆腐がちょっと出てくる、茨城の昔話もあります。

 → 豆電球大人の♪いばらきおとぎ話3~酒にまつわる茨城昔話その2-(1) 仏像も思わず飲んでしまう、茨城のお酒!?


手作りつと豆腐(こも豆腐)と、美味しい地酒は、至福の組み合わせハート

また、つと豆腐作りは、お子さんと一緒に作っても楽しいです!!

是非、お試し下さい♪



-----------------------------
【参考文献】

1.「日本の食生活全集⑧ 聞き書 茨城の食事」 農産漁村文化協会

2.「食彩百景 いばらきの味 郷土料理献立集」 茨城県衛生部成人病対策課


【参考サイト】

1.茨城町公式ホームページ 
 ホーム > くらし・行政トップ > 組織から探す > 町長公室> 地域政策課 > ラムサール条約関連
> 「茨城町の郷土料理「つと豆腐」に関するパンフレットを作成しました。
http://www.town.ibaraki.lg.jp/soshiki/division0/kikakuseisaku/ramsar/1490942271932.html
 
2.農林水産省
ホーム > 基本政策 > 食文化 > うちの郷土料理 > SEARCH&MENU > こも豆腐 茨城県
こも豆腐 茨城県
 https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/komodofu_ibaraki.html










同じカテゴリー(家庭で堪能!おいしい 茨城&つくば)の記事画像
(105) サマードリンク:梅シロップの金木犀陳皮茶 割り
(104)青梅の醤油漬け
【茨城 こんなもの見つけた♪ (57)】 二所ノ関部屋 ちゃんこ鍋の素
(103)落花生・蓮根・小豆の炊き込みご飯
(102) 自家製 “山の海産物” づくり ~ 山くらげ・山するめ・山あわび
年越しそばは、常陸秋そば。そして常陸秋そばの焼酎の、常陸秋そばのそば湯割りを飲む!
同じカテゴリー(家庭で堪能!おいしい 茨城&つくば)の記事
 (105) サマードリンク:梅シロップの金木犀陳皮茶 割り (2023-08-09 15:40)
 (104)青梅の醤油漬け (2023-06-10 15:01)
 【茨城 こんなもの見つけた♪ (57)】 二所ノ関部屋 ちゃんこ鍋の素 (2023-05-30 20:51)
 (103)落花生・蓮根・小豆の炊き込みご飯 (2023-05-11 21:26)
 (102) 自家製 “山の海産物” づくり ~ 山くらげ・山するめ・山あわび (2023-02-21 22:18)
 年越しそばは、常陸秋そば。そして常陸秋そばの焼酎の、常陸秋そばのそば湯割りを飲む! (2022-12-31 23:02)
Posted by かるだ もん at 11:17│Comments(0)家庭で堪能!おいしい 茨城&つくば
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
コメントフォーム
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。
プロフィール
かるだ もん
かるだ もん
徒然なるままに、興味のあることを気ままに書いています。好きなことばは「中途半端も、たくさん集まればいっぱい!」(ドラマのセリフ)

地元つくばや茨城の話題を中心に、茨城の食材を使った家庭料理、民俗学もどき、国際交流、旅の話題など、趣味の記事を掲載中。

特に自分の勉強も兼ねて、
★民話・伝説紹介と、それにちなむ土地めぐり
★茨城を中心に、全国の郷土料理と食材(世界の料理も含む)の話題
の話題が多いです。

・ヒッポファミリークラブ(多言語自然習得活動と国際交流)
・観光ボランティア
・郷土食研究会うまかっぺ!茨城

別館: 夢うつつ湯治日記 https://note.com/carfamom/

オーナーへメッセージ
読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。解除は→こちら
現在の読者数 39人
アクセスカウンタ
QRコード
QRCODE