2015年12月29日
大人の♪いばらきおとぎ話3~酒にまつわる茨城昔話その2-(2)
大人の♪いばらきおとぎ話3~酒にまつわる茨城昔話その2-(2)
仏像も思わず飲んでしまう、茨城のお酒!?
(2015年11月27日に FM84.2MHZラヂオつくば『つくばね自由研究クラブ』で放送した内容の一部を、再構築しております)
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昔から酒好きは、人間だけでなく、仏像も好きらしい・・・ということで、茨城県下に伝わる昔話から、酒好きの仏さまのお話 2つを紹介しています。
前回までのお話 → 大人の♪いばらきおとぎ話3~酒にまつわる茨城昔話その2-(1)
(2) 結城 『化け地蔵』 弘経寺
さて、クイズです。
次のお話は、お地蔵さんが男に化けて、お豆腐とお酒を買いに来る話ですが、
お地蔵さんは、お店で何をしたでしょうか。3択です。
1.お金をどっさり置いて行った
2.手品をした。
3.品物をちょろまかしていった。
では、答えは、あらすじで。
【あらすじ】 (文献1)より
昔、結城の豆腐屋さんに、真夜中に、とっくりを持って『これに豆腐を入れてくれ』と会に来る男がおりました。
「その容れ物には豆腐は入りません」と小僧は言いましたが、あまりにも強く言うのでしかたなしに、とっくりに豆腐をいれたところ、形も崩れずに豆腐はとっくりに入ってしまいました。
不審に思った小僧がその男のあとをつけていくと、男は弘経寺の境内の地蔵尊のところで消えてしまいました。
またあくる日、今度は酒屋に、夜更けにざるを持って『これに酒を入れてくれ』と会に来た男がおりました。
「ざるに酒は入れておけない」と主人は言いましたが、あまりにも強く頼むので、ざるに酒を入れたところ、酒はなんと1滴も漏れることなくざるに入っていきました。
不思議に思った主人がその人の跡をつけてみると、は弘経寺の境内の地蔵尊のところですっと消えてしまいました。
翌朝、主人はお寺の地蔵のところに行ってみると、口のまわりに豆腐をつけた地蔵がおりました。
人々は、地蔵尊が豆腐とお酒を買いに行ったのだとうわさし、「化け地蔵」と呼ばれるようになったとのことです。
ということで、クイズの答え
イリュージョンを操るお地蔵様!?
ということで、答えは、2の「手品をした」です。
このお話、聞いたことがある方も多いかと思います。
それもそのはず、昔、アニメの「まんが日本むかしばなし」で「のんべえ地蔵」として紹介されたお話なんです。
さて、物語の舞台となった、結城の弘経寺(ぐぎょうじ)
常総市の弘経寺と同じく、浄土宗の関東18壇林のひとつとなる寺院。
結城家18代秀康が娘を幼くして亡くし、その菩提を弔うために、飯沼(現 常総市)の弘経寺の存把上人を招いて建立したとのこと。
同じ名前なのは、そのためだったりするのでしょうか。
結城を訪れた与謝蕪村はこの寺に滞在し,当時描いた襖絵が今も残るそうです。
また境内には、『肌寒し 己が毛を噛む 木葉教(このはきょう)』と書かれた蕪村の句碑もあります。
この『木葉教』というのは、『むじな聖教』とも呼ばれる教文で、むじなが伝えた経文だそう(文献2)。
木葉教/むじな聖教 という秘密の経文、これはもともと、常総市の飯沼にある弘経寺に伝わっていたものが、存把上人が結城に招かれたときに、飯沼の弘経寺から持ってきたもので、それが今に伝わるとか?!
ちなみに常総市の飯沼の弘経寺に伝わるむじなの話については、
→ 茨城県南西の七不思議(仮)その1
※常総市飯沼の弘教寺のむじなが、その『木葉教/むじな聖教』を伝えたのでしょうか?!
詳細は分からないのですが、とってもミステリー♪
そして、今回の物語の主人公「化け地蔵」と呼ばれたお地蔵さんも現存。
説明の看板もなくて知らないと分からないと思います。
文献1に写真が掲載されていて、それと同じなので私は分かりましたが。
確かに、歩き出しそうな雰囲気のお地蔵様です。
かなり大きい。身長170cm以上ありそう。しかも台座も高いので、見上げる位です。
お地蔵様の足元、建物の土台の木の部分に、小石がたくさん置かれていました。
(写真の、向かって左下の木造土台の上)
何かの祈願なのでしょうか。
さて、お地蔵さんも大好きな結城の地酒を造っている酒蔵が、現在2つあります。
<結城の地酒>
・武勇 <(株)武勇>
・富久福・つむぎ娘 <結城酒造>
弘教寺のすぐそばにある、結城酒造さんに行ってみました。
お店の方に伺ったところ、伝説の化け地蔵さんが買いに来たのはこちらの酒蔵とのことです♪
伝説が生きているのですね
購入したお酒♪
お地蔵さんが買いに来るほどのお酒
結城のゆるキャラ『まゆげった』のワンカップは、雄町米を使った純米吟醸です♪
また、グルメとしては、郷土料理の『すだれ麩』。
すだれ麩を使った料理については → 【家庭で堪能!おいしい茨城&つくば(29)】 結城のすだれ麩と胡瓜の柿酢味噌マヨネーズあえ
そして、結城名物 『ゆでまんじゅう』。
皮がもちもちぷるぷるで、切れの良いすあまみたいで美味しい。
『冷やすと美味しい』とのことで、冷蔵庫で一度冷やすと良いです。
お地蔵さんが買いに来るほどなので、きっとお豆腐も美味しいかもしれませんが、お店はわかりませんでした。
ご存知の方、ご教示下さいませ。
ユネスコ無形文化遺産にも指定された結城紬で有名な結城市ですが、グルメでもいろいろあります
中世、城下町として栄え、江戸時代末期から商業都市として繁栄した結城市。
現在も格子戸の紬問屋や蔵造りの古い家が並びます。
見世蔵が31棟もあるとのこと。
お店の前には、こんな看板も。
コンビニは『こんびに』とひらがな表記。
銀行は『ぎんこう』でなく、『ばんく』なんですね(^m^)
歴史ある城下町なので、やはり結城市にはお寺も多く、中には、那須にいた九尾の狐を退治した伝説で有名な、玄翁和尚さんのお墓や由来の品のある安穏寺もあります。
ご参考 → 那須の殺生石を砕いた!源翁和尚
お酒大好きなお地蔵さんをお参りに行った後は、懐かしさと浪漫を感じさせてくれる結城の町を散策して、地酒や美味しいものを買って帰る…というのも良いですね。
また結城百選というのもあり、そこをめぐるコースも楽しそうです。
結城市の中心地区の道は、細く曲がりくねっています。
これは、中世の城下町の特徴だそうで、敵が簡単に攻めてこないようにした名残と聞きます。
なので、特に市街地は古い街並みで、道路に歩道がなかったり、歩道が狭い道が多いので、自動車に要注意です。
大人数でぞろぞろウォーキングは、大変危険ですし、迷惑かも・・・。
前回と今回は「酒好きの仏像」の昔話が伝わる土地ということで、桜川市真壁町と結城市を訪ねてみました。
これから宴会でお酒を飲む機会が増えるシーズン、
宴会のネタに、
そして、ドライブやウォーキング、散策などのご参考に、今回の話題、ご活用下さいませ。
***********************************************
【参考文献】
1. 「民話ゆうき」 結城市教育委員会
2. 「茨城の寺を訪ねて 古寺巡礼ガイド」 茨城放送
【参考ホームページ】
・結城市HP 観光案内 結城百選 27.弘教寺
http://www.city.yuki.lg.jp/page/page000434.html
まんが日本むかしばなし データベース
http://nihon.syoukoukai.com/modules/stories/index.php?lid=288
No.0288 『のんべえじぞう』
仏像も思わず飲んでしまう、茨城のお酒!?
(2015年11月27日に FM84.2MHZラヂオつくば『つくばね自由研究クラブ』で放送した内容の一部を、再構築しております)
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昔から酒好きは、人間だけでなく、仏像も好きらしい・・・ということで、茨城県下に伝わる昔話から、酒好きの仏さまのお話 2つを紹介しています。
前回までのお話 → 大人の♪いばらきおとぎ話3~酒にまつわる茨城昔話その2-(1)
(2) 結城 『化け地蔵』 弘経寺
さて、クイズです。
次のお話は、お地蔵さんが男に化けて、お豆腐とお酒を買いに来る話ですが、
お地蔵さんは、お店で何をしたでしょうか。3択です。
1.お金をどっさり置いて行った
2.手品をした。
3.品物をちょろまかしていった。
では、答えは、あらすじで。
【あらすじ】 (文献1)より
昔、結城の豆腐屋さんに、真夜中に、とっくりを持って『これに豆腐を入れてくれ』と会に来る男がおりました。
「その容れ物には豆腐は入りません」と小僧は言いましたが、あまりにも強く言うのでしかたなしに、とっくりに豆腐をいれたところ、形も崩れずに豆腐はとっくりに入ってしまいました。
不審に思った小僧がその男のあとをつけていくと、男は弘経寺の境内の地蔵尊のところで消えてしまいました。
またあくる日、今度は酒屋に、夜更けにざるを持って『これに酒を入れてくれ』と会に来た男がおりました。
「ざるに酒は入れておけない」と主人は言いましたが、あまりにも強く頼むので、ざるに酒を入れたところ、酒はなんと1滴も漏れることなくざるに入っていきました。
不思議に思った主人がその人の跡をつけてみると、は弘経寺の境内の地蔵尊のところですっと消えてしまいました。
翌朝、主人はお寺の地蔵のところに行ってみると、口のまわりに豆腐をつけた地蔵がおりました。
人々は、地蔵尊が豆腐とお酒を買いに行ったのだとうわさし、「化け地蔵」と呼ばれるようになったとのことです。
ということで、クイズの答え
イリュージョンを操るお地蔵様!?
ということで、答えは、2の「手品をした」です。
このお話、聞いたことがある方も多いかと思います。
それもそのはず、昔、アニメの「まんが日本むかしばなし」で「のんべえ地蔵」として紹介されたお話なんです。
さて、物語の舞台となった、結城の弘経寺(ぐぎょうじ)
常総市の弘経寺と同じく、浄土宗の関東18壇林のひとつとなる寺院。
結城家18代秀康が娘を幼くして亡くし、その菩提を弔うために、飯沼(現 常総市)の弘経寺の存把上人を招いて建立したとのこと。
同じ名前なのは、そのためだったりするのでしょうか。
結城を訪れた与謝蕪村はこの寺に滞在し,当時描いた襖絵が今も残るそうです。
また境内には、『肌寒し 己が毛を噛む 木葉教(このはきょう)』と書かれた蕪村の句碑もあります。
この『木葉教』というのは、『むじな聖教』とも呼ばれる教文で、むじなが伝えた経文だそう(文献2)。
木葉教/むじな聖教 という秘密の経文、これはもともと、常総市の飯沼にある弘経寺に伝わっていたものが、存把上人が結城に招かれたときに、飯沼の弘経寺から持ってきたもので、それが今に伝わるとか?!
ちなみに常総市の飯沼の弘経寺に伝わるむじなの話については、
→ 茨城県南西の七不思議(仮)その1
※常総市飯沼の弘教寺のむじなが、その『木葉教/むじな聖教』を伝えたのでしょうか?!
詳細は分からないのですが、とってもミステリー♪
そして、今回の物語の主人公「化け地蔵」と呼ばれたお地蔵さんも現存。
説明の看板もなくて知らないと分からないと思います。
文献1に写真が掲載されていて、それと同じなので私は分かりましたが。
確かに、歩き出しそうな雰囲気のお地蔵様です。
かなり大きい。身長170cm以上ありそう。しかも台座も高いので、見上げる位です。
お地蔵様の足元、建物の土台の木の部分に、小石がたくさん置かれていました。
(写真の、向かって左下の木造土台の上)
何かの祈願なのでしょうか。
さて、お地蔵さんも大好きな結城の地酒を造っている酒蔵が、現在2つあります。
<結城の地酒>
・武勇 <(株)武勇>
・富久福・つむぎ娘 <結城酒造>
弘教寺のすぐそばにある、結城酒造さんに行ってみました。
お店の方に伺ったところ、伝説の化け地蔵さんが買いに来たのはこちらの酒蔵とのことです♪
伝説が生きているのですね
購入したお酒♪
お地蔵さんが買いに来るほどのお酒
結城のゆるキャラ『まゆげった』のワンカップは、雄町米を使った純米吟醸です♪
また、グルメとしては、郷土料理の『すだれ麩』。
すだれ麩を使った料理については → 【家庭で堪能!おいしい茨城&つくば(29)】 結城のすだれ麩と胡瓜の柿酢味噌マヨネーズあえ
そして、結城名物 『ゆでまんじゅう』。
皮がもちもちぷるぷるで、切れの良いすあまみたいで美味しい。
『冷やすと美味しい』とのことで、冷蔵庫で一度冷やすと良いです。
お地蔵さんが買いに来るほどなので、きっとお豆腐も美味しいかもしれませんが、お店はわかりませんでした。
ご存知の方、ご教示下さいませ。
ユネスコ無形文化遺産にも指定された結城紬で有名な結城市ですが、グルメでもいろいろあります
中世、城下町として栄え、江戸時代末期から商業都市として繁栄した結城市。
現在も格子戸の紬問屋や蔵造りの古い家が並びます。
見世蔵が31棟もあるとのこと。
お店の前には、こんな看板も。
コンビニは『こんびに』とひらがな表記。
銀行は『ぎんこう』でなく、『ばんく』なんですね(^m^)
歴史ある城下町なので、やはり結城市にはお寺も多く、中には、那須にいた九尾の狐を退治した伝説で有名な、玄翁和尚さんのお墓や由来の品のある安穏寺もあります。
ご参考 → 那須の殺生石を砕いた!源翁和尚
お酒大好きなお地蔵さんをお参りに行った後は、懐かしさと浪漫を感じさせてくれる結城の町を散策して、地酒や美味しいものを買って帰る…というのも良いですね。
また結城百選というのもあり、そこをめぐるコースも楽しそうです。
結城市の中心地区の道は、細く曲がりくねっています。
これは、中世の城下町の特徴だそうで、敵が簡単に攻めてこないようにした名残と聞きます。
なので、特に市街地は古い街並みで、道路に歩道がなかったり、歩道が狭い道が多いので、自動車に要注意です。
大人数でぞろぞろウォーキングは、大変危険ですし、迷惑かも・・・。
前回と今回は「酒好きの仏像」の昔話が伝わる土地ということで、桜川市真壁町と結城市を訪ねてみました。
これから宴会でお酒を飲む機会が増えるシーズン、
宴会のネタに、
そして、ドライブやウォーキング、散策などのご参考に、今回の話題、ご活用下さいませ。
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【参考文献】
1. 「民話ゆうき」 結城市教育委員会
2. 「茨城の寺を訪ねて 古寺巡礼ガイド」 茨城放送
【参考ホームページ】
・結城市HP 観光案内 結城百選 27.弘教寺
http://www.city.yuki.lg.jp/page/page000434.html
まんが日本むかしばなし データベース
http://nihon.syoukoukai.com/modules/stories/index.php?lid=288
No.0288 『のんべえじぞう』
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