つくば・神郡 筑波山麓秋祭り お行屋公開とお接待



もう先々週になりますが、11/3の午前中だけでしたが、筑波山麓秋祭りで神郡の催しに行くことが出来ました。

つくば・神郡 筑波山麓秋祭り お行屋公開とお接待
この日はとても暖かく、お天気もとても良くて晴れ、まさに『里の秋』を満喫できる日よりでしたハート
(写真はこの日、神郡の集落から筑波山を望む)

本当に良い天気グッド

でも時間がなかったので、急ぎ足で歩いて、ピンポイントで見学汗




つくば・神郡 筑波山麓秋祭り お行屋公開とお接待
ということで、この日だけのキラキラ限定公開キラキラ、神郡の 『お行屋(おこや)』 へ行きました。

古くからこの地区で信仰されてきた仏像が拝見出来る、貴重な機会です。

おこやのある場所は、神郡の秋祭りの中心地区から少し離れた所にあります。

神郡地区に伝わる仏像の展示 「おこや」拝見』 とある立て看板の指示に従って、ちょっと不安になりながらも集落の奥の方に歩いて行くと・・・



つくば・神郡 筑波山麓秋祭り お行屋公開とお接待
おこやが見えてきました!

地元の方が暖かく迎えてくださいました笑

おこやの中は、一段高くなった板張りの間に長テーブルや座布団が置かれ、その奥には仏壇のようになっていました。

正面には、両脇に花が飾られ、赤い帽子と服とお座布団に包まれた仏像(地蔵菩薩?)に並んで、大小の古い仏像が厨子に入って
祀られていました。

この集落で古くから人々が集って祈られていたものでしょう。

仏壇の脇には、古い太鼓や、とても大きな数珠も置かれていました。
太鼓は昔、お葬式の時に叩かれたそうです。

この辺りも含め、茨城南西部では、お葬式のことを 『じゃんぼん』、『じゃんぼ』 というそうで、
打ちならす太鼓や鉦の音からそう表現されたと聞いたことがありますが、
それを思い出しました。

靴をぬいで板張りの間に上がり、奥の仏壇でお参りをしました。

おこやの入り口付近の壁には、その周りの壁には『十王図』の掛け軸が掲げられていました。
近くの普門寺さんから預かっているとのこと。

『十王図』とは、死者が冥界に行くと、生前の行いを裁判する王が十人居て裁判するという信仰で、ここの裁判結果を基に、極楽に行くか、地獄に行くか(しかも地獄は、どの地獄に行くか」が決められるというものです。
(コミック 『鬼灯の冷徹』に詳しいです笑 ← 大好きなコミック♪)

昔は(今も?)絵解きをしながら、地獄のことや信仰のことを語ったのかもしれませんね。

板の間には当番をされている女性がおられ、参拝にこられた方の質問に、いろいろ説明をされていました。

それをぼんやり聞きながら、椅子に腰かけてお茶を頂いていると、

『お接待です。召し上がって下さい』

と小皿にそれぞれ盛られた、冬瓜のあんかけと、蒸したかぼちゃを頂きました。

つくば・神郡 筑波山麓秋祭り お行屋公開とお接待
お接待の初体験ですグッド

そして頂いた 冬瓜のあんかけも、かぼちゃも美味しいこと!

塩味のあんかけ冬瓜と、とても甘いかぼちゃ(多分かぼちゃそのものが甘い!)の組み合わせがまた
美味しいハート
この日は大変良いお天気で、歩いていると汗ばむくらいでしたので、よく冷えた料理が
心地よかったです。

『お接待の料理は何か決まったものがあったりするのですか?』

と伺うと、

『いえ、冬瓜とかぼちゃが沢山取れたので…』

とのこと。

思いがけず、地元野菜の美味しさも味わいましたキラキラキラキラ

そして帰りがけには、小袋に入ったお菓子まで頂きましたハート

つくば・神郡 筑波山麓秋祭り お行屋公開とお接待
おこやの軒先では、和気藹々と輪投げを興じている おじいちゃん、おばあちゃんたちが笑
誘って頂き、私もやりたかったのですが、時間がなくて断念。
賞品もいろいろあるそうで、楽しそうだったのに、本当残念~泣

小春日和、秋の日差しの中、楽しそうに輪投げをしている地元の皆さんがほのぼのと素敵でしたハート

今度は、時間を取って、是非ゆっくりと伺いたいと思いました。









【「お接待」のこと】


『お接待』 と聞くと、四国の八十八か所霊場巡りのお遍路さんへの「お接待」が浮かびます。
古くから地元の人々によって、心づくしの食事など、お遍路さんに振舞われてきた文化として有名です。

この日、お料理を頂いた時に言われた「お接待です」とのことば、参拝に来られたかたへの
ふるまいの食事などにも一般的に使われるのかな…?と思ったのですが、気になって調べてみたら、
『筑波山麓地域情報紙 すそみろく 19号』 という資料に、『普門寺のお遍路さん』という記事がありました。

毎年3月30日から4月8日の10日間、同じつくば市の松塚にある東福寺さんを出発し、お遍路さんが
『新四国桜川八十八霊場』を巡礼し、普門寺さんにも巡礼があるとのこと。

まさし く『お接待』 です!

ちなみに松塚の東福寺さんは、江戸時代までお寺だった筑波山神社(当時は筑波山知足院中禅寺)の山門にあった
『流れ仁王』像が、現在安置されている山門があるお寺さんです笑

 豆電球 『流れ仁王』については、ずいぶん以前ですが、当ブログで書いた記事もありますので、良かったら♪
 → 消えた筑波山の「お宝」を巡って!(前編)


---------------------------------------
【参考資料】

・『筑波山麓地域情報紙 すそみろく 第19号』 平成23年3月25日 すそみろく編集委員会発行

田井地区の地域の情報誌『すそみろく』は、

創刊号~29号は
下記のつくば環境フォーラムさんのサイトで見ることが出来ます。

豆電球 『特定非営利活動法人(NPO) つくば環境フォーラム > 筑波山麓地域情報紙 『すそみろく』のバックナンバー
https://tef298.sakura.ne.jp/action/pg433.html

また、30号~40号は
下記の 筑波山麓グリーンツーリズム推進協議会 さんのサイトで見ることが出来ます。
豆電球 筑波山麓グリーンツーリズム協議会 > すそみろく
http://www.tsukuba-gt.sakura.ne.jp/archives/category/susomiroku/

貴重でとても良い資料だと思います。













同じカテゴリー(茨城&つくば プチ民俗学・歴史)の記事画像
落語『紋三郎稲荷』 の舞台を訪ねて (三)
落語『紋三郎稲荷』 の舞台を訪ねて (二)
落語『紋三郎稲荷』 の舞台を訪ねて (一)
茨城3つの養蚕信仰の聖地について(9) 地元の方から教えて頂いた神栖に伝わるお話
国立歴史民俗博物館 企画展 『陰陽師とは何者か』 を見て
映画『石岡タロー』
同じカテゴリー(茨城&つくば プチ民俗学・歴史)の記事
 落語『紋三郎稲荷』 の舞台を訪ねて (三) (2024-03-12 21:12)
 落語『紋三郎稲荷』 の舞台を訪ねて (二) (2024-02-19 19:29)
 落語『紋三郎稲荷』 の舞台を訪ねて (一) (2024-02-10 12:33)
 茨城3つの養蚕信仰の聖地について(9) 地元の方から教えて頂いた神栖に伝わるお話 (2023-12-02 14:02)
 国立歴史民俗博物館 企画展 『陰陽師とは何者か』 を見て (2023-11-15 20:35)
 映画『石岡タロー』 (2023-11-10 21:16)
この記事へのコメント
筑波山麓秋祭り、美六山荘だけ行きました。
Posted by stk at 2022年11月20日 20:05
stkさま
コメントありがとうございます。
筑波山麓秋祭りで、美六山荘に行かれたのですね。
私はまだ美六山荘は行ったことがないので、いつか是非行ってみたいです。
Posted by かるだ もんかるだ もん at 2022年11月20日 20:35
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
コメントフォーム
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。
プロフィール
かるだ もん
かるだ もん
徒然なるままに、興味のあることを気ままに書いています。好きなことばは「中途半端も、たくさん集まればいっぱい!」(ドラマのセリフ)

地元つくばや茨城の話題を中心に、茨城の食材を使った家庭料理、民俗学もどき、国際交流、旅の話題など、趣味の記事を掲載中。

特に自分の勉強も兼ねて、
★民話・伝説紹介と、それにちなむ土地めぐり
★茨城を中心に、全国の郷土料理と食材(世界の料理も含む)の話題
の話題が多いです。

・ヒッポファミリークラブ(多言語自然習得活動と国際交流)
・観光ボランティア
・郷土食研究会うまかっぺ!茨城

別館: 夢うつつ湯治日記 https://note.com/carfamom/

オーナーへメッセージ
読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。解除は→こちら
現在の読者数 39人
アクセスカウンタ
QRコード
QRCODE