2017年08月23日
だいだらぼっちと、『太』平山と、『大』平山
だいだらぼっちと、『太』平山と、『大』平山
先日、常陽藝文の2017年8月号を読んでいたら、お隣の栃木県の芳賀富士を特集していました。
栃木の益子に行って、見晴らしの良いところにいくと、ちょこっと見える富士山型のきれいな山。
低いにも関わらず端正な形で目を引くので気になっていました。
あれが『芳賀富士』と呼ばれる山だと、今回の特集で山の名前が分かってスッキリ。
そして、その名前に納得。
上の写真とともに、益子の県立自然公園 益子の森 付近で撮ったと記憶。
本当に富士山のようにきれいな形!
でも火山ではないそうです。
さて、上記の常陽藝文を読み進めていたら、芳賀富士は別名『大平山(だいだらやま/だいだらさん)』とも呼ばれ、だいだらぼっち伝説も伝わるとの記載が!
かなり以前になりますが、茨城県下に伝わる『だいだらぼっち(※)』の話を、何回かに分けて書きました。
※『だいだらぼう』、『でーだらぼう』等とも呼ばれます。
当方のブログでは便宜的に『だいだらぼっち』で統一しています。
つくば近郊 だいだらぼっちの足跡を探して(1)
つくば近郊 だいだらぼっちの足跡を探して(2)
だいだらぼっちの足跡を探して(3) 利根町、結城市、八千代町
で、このシリーズの(3)で、結城に伝わる
『だいだらぼっちが、筑波山と太平山(※※)を天秤で量ろうとして、太平山を落として…』
という話を紹介しています。
※※こちらは『大』でなく、点がある『太』の方の『太平山』。
読み方は『おおひらやま』
その後、『民話 ゆうき』という本を古書で見つけ購入しました。
読んでみると、上の記事で以前に紹介した話とちょっと違うバージョンで、
太平山を落としたら、そのかけらが近くの錦着山になった
という民話が掲載されていました。
なお、こちらの『太平山(おおひらやま)』は、明治初頭の頃、天狗党が籠ったことで名が知られている方の山です。
ちなみに、太平山、錦着山については
→ 栃木市観光協会ホームページ『太平山・錦着山』
結城の健田神社跡付近から太平山方面を望む。
現在は建物で分かりにくくて残念ですが、昔はよく見えたのでしょうね
栃木の方にもっと行けば、太平山はよく見えるのですが、写真を撮っていないのですみません
つまり栃木県の南東部には、
●栃木市にある 太平山(おおひらさん)
●益子町と茂木市の境付近にある 大平山(だいだらやま/だいだらさん) =芳賀富士
という、とても似た(漢字の)名前の二つの山があって、それぞれ『だいだらぼっち』伝説が伝わっているんですね!
全国にある『太平』『大平』と呼ばれる場所(山も含む)は、 『だいだらぼっち』伝説が伝わる場所も多く、それは『だいだいら』とも読めるために、だいだらぼっち伝説と結びつけられた(または結びつけられるために地名が付いた)のでは・・・
という説を聞いたことがあります。
いずれにせよ、茨城県西部~栃木県南東部では、
・筑波山を落とす(筑波山は二つに割れている理由)
・太平山を落とす(破片で出来た別の山も含む)
・富士山のてっぺんを落とす(これはユニーク)
・筑波山に尻もちを搗く(筑波山は二つに割れている理由)
・筑波山に座って鬼怒川で足を洗う
・足あとをつける(これは全国一般的)
を組み合わせた、壮大な民話が昔から語られているようで、愉快です。
そしてこのエリアは、地理的にも民俗風習的にも近く、そのためか似ている民話が伝わっているようで、なかなか興味深いなぁと思っています♪
ちなみに、結城の健田神社跡付近から見た、筑波山系とその北側の山並み。
右端の大きな山が筑波山。
芳賀富士はちょっと見えなさそうかな・・・。
でも、この辺りから見る筑波山は、『結城筑波』と呼ばれ、大変美しく見えます。
だからこそ、結城では、栃木市にある太平山(おおひらさん)と筑波山を比べる民話が語られているんでしょうね♪
********************************************************************************
【参考文献】
『民話 ゆうき』 結城市教育委員会
『常陽藝文 2017年8月号(第411号)』 常陽藝文センター
『新版 日本の民話39 栃木の民話 第二集』 日向野徳久著 未來社
先日、常陽藝文の2017年8月号を読んでいたら、お隣の栃木県の芳賀富士を特集していました。
栃木の益子に行って、見晴らしの良いところにいくと、ちょこっと見える富士山型のきれいな山。
低いにも関わらず端正な形で目を引くので気になっていました。
あれが『芳賀富士』と呼ばれる山だと、今回の特集で山の名前が分かってスッキリ。
そして、その名前に納得。
上の写真とともに、益子の県立自然公園 益子の森 付近で撮ったと記憶。
本当に富士山のようにきれいな形!
でも火山ではないそうです。
さて、上記の常陽藝文を読み進めていたら、芳賀富士は別名『大平山(だいだらやま/だいだらさん)』とも呼ばれ、だいだらぼっち伝説も伝わるとの記載が!
かなり以前になりますが、茨城県下に伝わる『だいだらぼっち(※)』の話を、何回かに分けて書きました。
※『だいだらぼう』、『でーだらぼう』等とも呼ばれます。
当方のブログでは便宜的に『だいだらぼっち』で統一しています。
つくば近郊 だいだらぼっちの足跡を探して(1)
つくば近郊 だいだらぼっちの足跡を探して(2)
だいだらぼっちの足跡を探して(3) 利根町、結城市、八千代町
で、このシリーズの(3)で、結城に伝わる
『だいだらぼっちが、筑波山と太平山(※※)を天秤で量ろうとして、太平山を落として…』
という話を紹介しています。
※※こちらは『大』でなく、点がある『太』の方の『太平山』。
読み方は『おおひらやま』
その後、『民話 ゆうき』という本を古書で見つけ購入しました。
読んでみると、上の記事で以前に紹介した話とちょっと違うバージョンで、
太平山を落としたら、そのかけらが近くの錦着山になった
という民話が掲載されていました。
なお、こちらの『太平山(おおひらやま)』は、明治初頭の頃、天狗党が籠ったことで名が知られている方の山です。
ちなみに、太平山、錦着山については
→ 栃木市観光協会ホームページ『太平山・錦着山』
結城の健田神社跡付近から太平山方面を望む。
現在は建物で分かりにくくて残念ですが、昔はよく見えたのでしょうね
栃木の方にもっと行けば、太平山はよく見えるのですが、写真を撮っていないのですみません
つまり栃木県の南東部には、
●栃木市にある 太平山(おおひらさん)
●益子町と茂木市の境付近にある 大平山(だいだらやま/だいだらさん) =芳賀富士
という、とても似た(漢字の)名前の二つの山があって、それぞれ『だいだらぼっち』伝説が伝わっているんですね!
全国にある『太平』『大平』と呼ばれる場所(山も含む)は、 『だいだらぼっち』伝説が伝わる場所も多く、それは『だいだいら』とも読めるために、だいだらぼっち伝説と結びつけられた(または結びつけられるために地名が付いた)のでは・・・
という説を聞いたことがあります。
いずれにせよ、茨城県西部~栃木県南東部では、
・筑波山を落とす(筑波山は二つに割れている理由)
・太平山を落とす(破片で出来た別の山も含む)
・富士山のてっぺんを落とす(これはユニーク)
・筑波山に尻もちを搗く(筑波山は二つに割れている理由)
・筑波山に座って鬼怒川で足を洗う
・足あとをつける(これは全国一般的)
を組み合わせた、壮大な民話が昔から語られているようで、愉快です。
そしてこのエリアは、地理的にも民俗風習的にも近く、そのためか似ている民話が伝わっているようで、なかなか興味深いなぁと思っています♪
ちなみに、結城の健田神社跡付近から見た、筑波山系とその北側の山並み。
右端の大きな山が筑波山。
芳賀富士はちょっと見えなさそうかな・・・。
でも、この辺りから見る筑波山は、『結城筑波』と呼ばれ、大変美しく見えます。
だからこそ、結城では、栃木市にある太平山(おおひらさん)と筑波山を比べる民話が語られているんでしょうね♪
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【参考文献】
『民話 ゆうき』 結城市教育委員会
『常陽藝文 2017年8月号(第411号)』 常陽藝文センター
『新版 日本の民話39 栃木の民話 第二集』 日向野徳久著 未來社
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