2016年03月20日
茨城こんなもの見つけた♪(19) 「つくばね御守」と「つくばね」の実
茨城こんなもの見つけた♪(19) 「つくばね御守」と「つくばね」の実
羽根つき遊び用の『羽子板 と 衝(つく)羽根』セット
って、最近あまり売られているのを見かけませんね・・・。
私が幼少のみぎり(ウン十ウン年前
)頃は、お正月近くになるとおもちゃ屋さんで、子供用に裏側に絵が描かれた羽子板と、突いて遊ぶための、「衝羽根/突羽根(つくばね)」がセットで売られていましたっけ。
衝羽根の玉(ムクロジという植物の実の種を使っているそうですね)が、羽子板に当たると、羽子板に凹み傷が出来て、遊んでいるうちに、羽子板の打つ面がボコボコになるのが、子供心にちょっと悲しかったのを覚えています。
それで、だいたいお正月にちょこっと遊んで、普段は羽根がよく飛んで楽しいバトミントンで遊んでいましたっけ・・・
。
サザエさんの漫画(アニメでなく、原作の方)などでは、羽根つき遊びとして、負けると顔にバッテン印やらヒゲやらを墨で描かれるという罰ゲームが、よく題材になっていました。
顔に墨でバツ印を書く罰ゲーム、あれは、やってみたかったですね(^m^)。
・・・なんて、思い出がふっと浮かぶような、
可愛い御守り
が、地元 筑波山神社にあるのを最近知りました。

「開運つくばね御守」
羽根の色はいくつかあるようですが、私はピンクを選びました(^^)v

黒い玉の部分は鈴になっています。
羽根の中にはなんと!
小さな羽子板が隠れているではありませんか♪
シャレっ気もあるし、可愛いデザイン
。
筑波山神社のHP http://www.tsukubasanjinja.jp
>お守り一覧の、「つくばね守」の詳細ページ http://www.tsukubasanjinja.jp/gokitou/detail/detailG000000013_5.html#B000000179
には、
「天照大神が父母二神(いざなぎのみこと・いざなみのみこと)より賜った『つくばね』の実で、月読尊と羽根突きをしてお遊びになられた縁起により筑波山は羽根突きの発祥の地とされ、つくばね守は開運のお守りとして、その形のかわいらしさもあり女性に人気が高い。 」
とのこと。
さて、江戸時代 安永二年(1772年)頃、上生庵亮盛という人が書いた『筑波山名跡誌』(文献1)の、『羽子板』の項には、ちょっと違うニュアンスの話の記載があります。
『土人の口碑に人の世と成る始の頃、神慰の弄びとして、兒岐の実を打飛す事あり』
『兒岐の実』(こぎのみ)についても、『羽子板』の項の前に『古岐乃子』(こぎのこ)の項で、植物の実であり、『こぎ』の字はいろいろある旨の説明があります。
※『こぎ』は『ツクバネ』の実とのこと(文献1)
さらに同書では、老農夫から聞いた話として
『日神五(いつ)とせ筑波嶺に在して、諸神と倶(とも)に父母二神を慰め、羽子を突給ふの御神詠あり』
ということで、
『一二三四(ひふみよ)と五(いつ)まではごをつくばねの月あらん事はそらにすめすめ』
という歌が伝わる旨が書かれています。
『父母二神』は、古来からの筑波山の夫婦神、筑波男神、筑波女神でしょうね。
その父母二神を、他の神々が慰める(もてなす?)ために、羽根つき遊びをしたとのこと。
いずれにせよ、神様がツクバネの実を突いて遊んだという雅びな縁起が、筑波山に伝わっているのですね
そして、いにしえには、神事として羽根つきがあったのかもしれませんね。
さて、そのツクバネという植物。
山に生える木の根に半分寄生して生活する植物で、場所柄、なかなか実は人目につかないようです。
秋に実るその実には、羽根のような4枚の長い苞があります。
その姿が、羽根つき遊びの「衝羽根」に似ているから「つくばね」と呼ばれるようになったよう。
その珍しい、ツクバネの実を見ることが最近ありました
。

撮影場所は、筑波山ではありませんが、同じ筑波山塊で、石岡・笠間にまたがる難台山近く。
(地元ガイドさんに教えて頂かないと、全く気付きませんでした)
撮影時期は2016年3月上旬。
冬枯れの実が1個だけ奇跡的に残っていたようです
。
写真で黒っぽい楕円形の実に、下向きに二枚だけ、羽根のような苞が残っているのがわかります♪。
本当に「衝羽根」みたいです
。
さて、先に紹介した『筑波山名跡誌』では、続いて、
最初は兒岐(こぎ)の実(=ツクバネの実) を打っていた道具が
木の枝 → 小板 →羽子を突(つく)板との名づけられる → 段々美麗に作られるようになり・・・
『・・・春の賑ひ草とは成れる也。羽子板は此の山より作り出し、霜月朔日を羽子板の日と称し、諸国へ売弘る故実とする也』
となったとのこと話が載っています。
筑波山が、羽子板の発祥の地らしい
そして、『霜月朔日』=11月1日 は『羽子板の日』!
11月1日は奇しくも、筑波山御座替り神事の日。
羽子板に関する神事もあるのかなぁ・・・と興味あります。
でも、少なくとも江戸時代、羽子板発祥の地として筑波山は有名だったようですし、霜月朔日(11月1日)は羽子板の日とまで言われていたのですから、筑波山でもつくば市でも、それを大々的に宣伝しても良いと思うんですが、特に宣伝してないですよねぇ・・・。
『スポーツと文化の街』と最近謳ってる つくば市なのですから、
是非、
全国羽根つき大会
とか、故事に合わせて、
手で衝羽根を打つ催し
とか
筑波山周辺や、つくば市で、毎年やったらい良いのになぁ~
なぁんて思います。
それにしても、
筑波山の『筑波嶺(つくばね)』
と、
羽子板遊びの『衝羽根(つくばね)』、
発音が全く同じなのが面白い。
偶然同じ発音の、『衝羽根』と『筑波嶺』繋がりで、
羽根つきの発祥の地と、江戸時代の頃、既に喧伝されていたでしょうね
。
羽根つき遊び発祥伝説、ほのぼのとしていて好きです
。
筑波山神社に可愛いつくばねお守があるのも、女子的には嬉しいかも
。
*****************************************************************
参考文献
1. 『筑波山名跡誌 ―安永期の貴重な地誌再現―』 上生庵亮盛 著 解説 桐原光明 筑波書林
羽根つき遊び用の『羽子板 と 衝(つく)羽根』セット
って、最近あまり売られているのを見かけませんね・・・。
私が幼少のみぎり(ウン十ウン年前

衝羽根の玉(ムクロジという植物の実の種を使っているそうですね)が、羽子板に当たると、羽子板に凹み傷が出来て、遊んでいるうちに、羽子板の打つ面がボコボコになるのが、子供心にちょっと悲しかったのを覚えています。
それで、だいたいお正月にちょこっと遊んで、普段は羽根がよく飛んで楽しいバトミントンで遊んでいましたっけ・・・

サザエさんの漫画(アニメでなく、原作の方)などでは、羽根つき遊びとして、負けると顔にバッテン印やらヒゲやらを墨で描かれるという罰ゲームが、よく題材になっていました。
顔に墨でバツ印を書く罰ゲーム、あれは、やってみたかったですね(^m^)。
・・・なんて、思い出がふっと浮かぶような、
可愛い御守り

が、地元 筑波山神社にあるのを最近知りました。

「開運つくばね御守」
羽根の色はいくつかあるようですが、私はピンクを選びました(^^)v

黒い玉の部分は鈴になっています。
羽根の中にはなんと!
小さな羽子板が隠れているではありませんか♪
シャレっ気もあるし、可愛いデザイン

筑波山神社のHP http://www.tsukubasanjinja.jp
>お守り一覧の、「つくばね守」の詳細ページ http://www.tsukubasanjinja.jp/gokitou/detail/detailG000000013_5.html#B000000179
には、
「天照大神が父母二神(いざなぎのみこと・いざなみのみこと)より賜った『つくばね』の実で、月読尊と羽根突きをしてお遊びになられた縁起により筑波山は羽根突きの発祥の地とされ、つくばね守は開運のお守りとして、その形のかわいらしさもあり女性に人気が高い。 」
とのこと。
さて、江戸時代 安永二年(1772年)頃、上生庵亮盛という人が書いた『筑波山名跡誌』(文献1)の、『羽子板』の項には、ちょっと違うニュアンスの話の記載があります。
『土人の口碑に人の世と成る始の頃、神慰の弄びとして、兒岐の実を打飛す事あり』
『兒岐の実』(こぎのみ)についても、『羽子板』の項の前に『古岐乃子』(こぎのこ)の項で、植物の実であり、『こぎ』の字はいろいろある旨の説明があります。
※『こぎ』は『ツクバネ』の実とのこと(文献1)
さらに同書では、老農夫から聞いた話として
『日神五(いつ)とせ筑波嶺に在して、諸神と倶(とも)に父母二神を慰め、羽子を突給ふの御神詠あり』
ということで、
『一二三四(ひふみよ)と五(いつ)まではごをつくばねの月あらん事はそらにすめすめ』
という歌が伝わる旨が書かれています。
『父母二神』は、古来からの筑波山の夫婦神、筑波男神、筑波女神でしょうね。
その父母二神を、他の神々が慰める(もてなす?)ために、羽根つき遊びをしたとのこと。
いずれにせよ、神様がツクバネの実を突いて遊んだという雅びな縁起が、筑波山に伝わっているのですね

そして、いにしえには、神事として羽根つきがあったのかもしれませんね。
さて、そのツクバネという植物。
山に生える木の根に半分寄生して生活する植物で、場所柄、なかなか実は人目につかないようです。
秋に実るその実には、羽根のような4枚の長い苞があります。
その姿が、羽根つき遊びの「衝羽根」に似ているから「つくばね」と呼ばれるようになったよう。
その珍しい、ツクバネの実を見ることが最近ありました

撮影場所は、筑波山ではありませんが、同じ筑波山塊で、石岡・笠間にまたがる難台山近く。
(地元ガイドさんに教えて頂かないと、全く気付きませんでした)
撮影時期は2016年3月上旬。
冬枯れの実が1個だけ奇跡的に残っていたようです

写真で黒っぽい楕円形の実に、下向きに二枚だけ、羽根のような苞が残っているのがわかります♪。
本当に「衝羽根」みたいです

さて、先に紹介した『筑波山名跡誌』では、続いて、
最初は兒岐(こぎ)の実(=ツクバネの実) を打っていた道具が
木の枝 → 小板 →羽子を突(つく)板との名づけられる → 段々美麗に作られるようになり・・・
『・・・春の賑ひ草とは成れる也。羽子板は此の山より作り出し、霜月朔日を羽子板の日と称し、諸国へ売弘る故実とする也』
となったとのこと話が載っています。
筑波山が、羽子板の発祥の地らしい

そして、『霜月朔日』=11月1日 は『羽子板の日』!
11月1日は奇しくも、筑波山御座替り神事の日。
羽子板に関する神事もあるのかなぁ・・・と興味あります。
でも、少なくとも江戸時代、羽子板発祥の地として筑波山は有名だったようですし、霜月朔日(11月1日)は羽子板の日とまで言われていたのですから、筑波山でもつくば市でも、それを大々的に宣伝しても良いと思うんですが、特に宣伝してないですよねぇ・・・。
『スポーツと文化の街』と最近謳ってる つくば市なのですから、
是非、
全国羽根つき大会
とか、故事に合わせて、
手で衝羽根を打つ催し
とか
筑波山周辺や、つくば市で、毎年やったらい良いのになぁ~
なぁんて思います。
それにしても、
筑波山の『筑波嶺(つくばね)』
と、
羽子板遊びの『衝羽根(つくばね)』、
発音が全く同じなのが面白い。
偶然同じ発音の、『衝羽根』と『筑波嶺』繋がりで、
羽根つきの発祥の地と、江戸時代の頃、既に喧伝されていたでしょうね

羽根つき遊び発祥伝説、ほのぼのとしていて好きです

筑波山神社に可愛いつくばねお守があるのも、女子的には嬉しいかも

*****************************************************************
参考文献
1. 『筑波山名跡誌 ―安永期の貴重な地誌再現―』 上生庵亮盛 著 解説 桐原光明 筑波書林
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
コメントフォーム