2018年09月25日
筑波山神社 観月祭
筑波山神社 観月祭
2018年9月23日(日)秋分の日の宵、筑波山神社で観月会が行われていました。
今年で3回目だそうです。
暗闇に浮かぶ、筑波山神社拝殿。
趣きがありますね。
拝殿の中で、お琴と尺八の合奏が2時間ほどありました。
邦楽は苦手で2時間耐えられるかと・・・と内心心配でしたが、全十曲、選曲もバラエティに富み、司会をされたお琴の先生及び尺八の先生のお話も軽妙洒脱で面白く、2時間があっというまでした。
拝殿の外からは秋の虫の音が賑やかに聞こえてきて、尺八や琴の旋律とともに、秋の風情たっぷり堪能しました。
拝殿の正面に、秋の花草が大変美しく活けられていました。
お供えは、それぞれ三宝に載せられた、梨、お団子、そして(多分)アケビの実!
筑波山境内から見る、おぼろ月夜。
薄い雲に月の光に滲んで、その光がわずかに七色がかって美しかったです。
今年2018年は奇しくも、本日の秋分の日の翌日が、中秋の名月でした。
この日もほぼ満月。
境内のご神木の大杉(向かって右の木)の上にかからんとする、おぼろ月。
(写真はピンボケですが、雰囲気は伝わっているかと)
帰りは関東平野の夜景を見ながら山を後にしました。
すっかり秋の風情の筑波山。
明るい時の秋の風情の景色の写真も載せますね。
同日夕方に撮った彼岸花と筑波山。西山地区にて。
向かって左の男体山、右の女体山。
彼岸花の赤い色が、木々や草の緑に映えます。
こちらは反対方向、コスモス越しに見る関東平野。同じく西山地区にて。
秋風を感じる写真かと
湿度が低くなってきたせいか、やや霞みながらも、東京都心のビル群やスカイツリーも見えました。
この日、三連休の中日で好天に恵まれ、筑波山は登山・観光客ですさまじい大混雑。
道路は駐車場待ちの車が連なり、午後まで大渋滞でした。
午後2時過ぎで、つくば駅から筑波山まで2時間かかると、バスを乗る時に言われたと聞きました。
また、アリのような長い行列で、細い登山道を登る登山者の様子を、SNSの写真でも見ました・・・。
しかし夜はそんな人間達の喧騒も静まり、静かな宵でした。
【おまけ】
筑波山中禅寺の僧侶 上生庵亮盛による江戸時代中期の書『筑波山名跡誌』(文献 )には、『つくば』の語源となった伝説が書かれています。
曰く(以下書き下し文は、文献1による)
『昔時(むかし)日神(にのかみ)、父母の二神を慰諭(なぐらめんが)為め故に、山上に於て筑(ことを)弾ず。
水波の曲に至て、鹿島の海潮、逆騰(げきとう)して山の頂にひたし(※註)著(つ)く。故に、著波と名づく。
筑(ことの)音を以(もって)海波を動ずる。故に又筑波と号也。』
※註: 『ひたし』の字は、さんずいに、つくりは『極』の左側と同じ。
つまり、昔、神代の頃、日の神様が、父母の二神を慰めるために、山の上で『こと』(『筑』と書くのですね)を奏でたら、鹿島の海から潮が遡ってきて、山頂まで海の水が来た。それが『筑波』の名前の起源になった
・・・という伝説です。
『筑』という楽器はどんな楽器だったのでしょう?
wikipediaによると、
『筑(ちく)』は、
『筑(ちく)は、古代中国の打弦楽器。現在は使われていない。 筑の形は琴に似ていたが、弾奏するのではなく、竹(「竹」と「筑」は同音)の棒で弦をたたいて音を出す』
とのこと(註※※)。
文献1では、『こと』とルビを振っていますが、現在の『琴』とはかなり違う楽器のようですね。
棒でたたいて言を鳴らす・・・と、結構ワイルド?!
伝説とはいえ、鹿島の海から波が遡って(逆騰)というのは、311を経験した身として怖くなるのですが、現代の琴とは明らかに違う楽器ですし大丈夫ですよね、もちろん
註※※: 『筑状弦楽器』と呼ばれるものが、国内の古墳や遺跡でも発掘されているようです。
中には筑状弦楽器を弾く埴輪もあるようです。
古代の楽器、調べると面白そうです。
*********************************************
【参考文献】
1. 『筑波山名跡誌 安永期の貴重な地誌再現』 上生庵亮盛 著 桐原光明 解説 (ふるさと文庫) 筑波書林
2018年9月23日(日)秋分の日の宵、筑波山神社で観月会が行われていました。
今年で3回目だそうです。
暗闇に浮かぶ、筑波山神社拝殿。
趣きがありますね。
拝殿の中で、お琴と尺八の合奏が2時間ほどありました。
邦楽は苦手で2時間耐えられるかと・・・と内心心配でしたが、全十曲、選曲もバラエティに富み、司会をされたお琴の先生及び尺八の先生のお話も軽妙洒脱で面白く、2時間があっというまでした。
拝殿の外からは秋の虫の音が賑やかに聞こえてきて、尺八や琴の旋律とともに、秋の風情たっぷり堪能しました。
拝殿の正面に、秋の花草が大変美しく活けられていました。
お供えは、それぞれ三宝に載せられた、梨、お団子、そして(多分)アケビの実!
筑波山境内から見る、おぼろ月夜。
薄い雲に月の光に滲んで、その光がわずかに七色がかって美しかったです。
今年2018年は奇しくも、本日の秋分の日の翌日が、中秋の名月でした。
この日もほぼ満月。
境内のご神木の大杉(向かって右の木)の上にかからんとする、おぼろ月。
(写真はピンボケですが、雰囲気は伝わっているかと)
帰りは関東平野の夜景を見ながら山を後にしました。
すっかり秋の風情の筑波山。
明るい時の秋の風情の景色の写真も載せますね。
同日夕方に撮った彼岸花と筑波山。西山地区にて。
向かって左の男体山、右の女体山。
彼岸花の赤い色が、木々や草の緑に映えます。
こちらは反対方向、コスモス越しに見る関東平野。同じく西山地区にて。
秋風を感じる写真かと
湿度が低くなってきたせいか、やや霞みながらも、東京都心のビル群やスカイツリーも見えました。
この日、三連休の中日で好天に恵まれ、筑波山は登山・観光客ですさまじい大混雑。
道路は駐車場待ちの車が連なり、午後まで大渋滞でした。
午後2時過ぎで、つくば駅から筑波山まで2時間かかると、バスを乗る時に言われたと聞きました。
また、アリのような長い行列で、細い登山道を登る登山者の様子を、SNSの写真でも見ました・・・。
しかし夜はそんな人間達の喧騒も静まり、静かな宵でした。
【おまけ】
筑波山中禅寺の僧侶 上生庵亮盛による江戸時代中期の書『筑波山名跡誌』(文献 )には、『つくば』の語源となった伝説が書かれています。
曰く(以下書き下し文は、文献1による)
『昔時(むかし)日神(にのかみ)、父母の二神を慰諭(なぐらめんが)為め故に、山上に於て筑(ことを)弾ず。
水波の曲に至て、鹿島の海潮、逆騰(げきとう)して山の頂にひたし(※註)著(つ)く。故に、著波と名づく。
筑(ことの)音を以(もって)海波を動ずる。故に又筑波と号也。』
※註: 『ひたし』の字は、さんずいに、つくりは『極』の左側と同じ。
つまり、昔、神代の頃、日の神様が、父母の二神を慰めるために、山の上で『こと』(『筑』と書くのですね)を奏でたら、鹿島の海から潮が遡ってきて、山頂まで海の水が来た。それが『筑波』の名前の起源になった
・・・という伝説です。
『筑』という楽器はどんな楽器だったのでしょう?
wikipediaによると、
『筑(ちく)』は、
『筑(ちく)は、古代中国の打弦楽器。現在は使われていない。 筑の形は琴に似ていたが、弾奏するのではなく、竹(「竹」と「筑」は同音)の棒で弦をたたいて音を出す』
とのこと(註※※)。
文献1では、『こと』とルビを振っていますが、現在の『琴』とはかなり違う楽器のようですね。
棒でたたいて言を鳴らす・・・と、結構ワイルド?!
伝説とはいえ、鹿島の海から波が遡って(逆騰)というのは、311を経験した身として怖くなるのですが、現代の琴とは明らかに違う楽器ですし大丈夫ですよね、もちろん
註※※: 『筑状弦楽器』と呼ばれるものが、国内の古墳や遺跡でも発掘されているようです。
中には筑状弦楽器を弾く埴輪もあるようです。
古代の楽器、調べると面白そうです。
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【参考文献】
1. 『筑波山名跡誌 安永期の貴重な地誌再現』 上生庵亮盛 著 桐原光明 解説 (ふるさと文庫) 筑波書林
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