酉年にちなむ神社仏閣~その1・神社編(茨城及び近郊)~
※2017年1月5日放送の FM84.2MHzラヂオつくば『つくばね自由研究クラブ』でお話した内容を、再構成して書いています



今年の干支、酉年にちなんで、茨城県内とその近郊の、鳥に関係する神社仏閣を2回に渡って紹介します。
今回はその1〜神社編として、茨城県と近郊の神社です。
そして、せっかく行くので、その近くの見どころ・美味しい名物等も要チェック♪


(1) 鷲子山上神社(とりのこさんじょう神社)

●県境にまたがる神社 読み方も微妙に違う。

ここの神社は大変珍しいことに、茨城県と栃木県にまたがっていて、県境が、大鳥居の中央と、本殿の中央を通っています。
社務所も、栃木側と茨城側の2つ分かれてあります。


酉年にちなむ神社仏閣~その1・神社編(茨城及び近郊)~
栃木県と茨城県の県境を示す看板。

そして神社の名前の読み方も、
栃木県では「とりのこさんしょうじんじゃ」茨城県では「とりのこさんじょうじんじゃ」
と、「上」を「しょう」と読むか「じょう」と読むか、微妙に違うようです。

私は茨城県民なので、茨城県側の読み方「とりのこさんじょうじんじゃ」でいきますちょき



◎鷲子山上神社HP: http://www.torinokosan.com/
によると、住所は栃木県(那須郡那珂川町)になっていますね。
茨城県側は、常陸大宮市になるのかなと思います。旧美和村の地区でしょうか。

通称「とりのこさん
だぁな(@mda_abm )さんに、以前教えていただいたのですが、地元のお年寄りの方の中には「とんにょこさん」と呼ぶ方もおられるそうです。
かわいい♪ 「とんにょこ」♪ハート

こちらの神社については、かなり以前になりますが、当ブログでも書かせて頂きました。
豆電球ご参考: 「鳩 鵜 烏 山鳥の小道」 と 鷲子山上神社を訪ねて

●見どころ

酉年にちなむ神社仏閣~その1・神社編(茨城及び近郊)~
鷲子山上神社本殿の見事な彫刻は、茨城・栃木両県の文化財に指定されていて、これも見どころの一つ。


祭神は、天日鷲命(アメノヒワシノミコト)。
漁業、商売繁盛、開拓、殖産の神様のようです。





酉年にちなむ神社仏閣~その1・神社編(茨城及び近郊)~
また、同神社HPによると、古くからフクロウが、 大神様の御使い・幸福を呼ぶ神鳥として崇敬されていて、別名「ふくろうの神社」とも呼ばれていているそう。

なので、「日本一の大ふくろう』の像(別名『ふくろう大仏』)があったり、







酉年にちなむ神社仏閣~その1・神社編(茨城及び近郊)~
境内はたくさんの「ふくろう(不苦労)スポット」あって、ちょっとしたフクロウテーマパーク!
散策も出来て、楽しいです。
(以上、鷲子山神社の写真は2010年8月撮影のものです)

宝くじの神社としても有名とのことです。
宝くじファンの方、お参りすると良いかもしれません♪グッド





酉年にちなむ神社仏閣~その1・神社編(茨城及び近郊)~
以前(2010年)行ったときに同神社で購入した、ふくろうの置物。
『大ふくろう』像と同じデザインですね。
手の平にちょこんと乗るサイズハート。 可愛い(*^^*)
背中には『鷲子山』と筆書きの名前入り。










【近くの見どころ】
★さて、鷲子山神社の近くの旧道には、
はとうからすやまとりのこみち」と彫られた、古い石の道しるべがあります。
これは、「馬頭・烏山・鷲子道」のひらがな表記。 

酉年にちなむ神社仏閣~その1・神社編(茨城及び近郊)~
新旧2つの道しるべがあります。
こちらはかなり古い感じ。










酉年にちなむ神社仏閣~その1・神社編(茨城及び近郊)~
こちらは近年作ったと思われます。字がはっきり読めます。


昔、この道を歩いてきた旅人が、この道しるべを見て、
はと、う、からす、やまとり の小道」と読んで、人が通っていけない道だと引き返してしまった・・・


という笑い話が伝わっています。
この笑い話、個人的に大好きな話ですハート

豆電球ご参考(上記と同じく):  「鳩 鵜 烏 山鳥の小道」 と 鷲子山上神社を訪ねて



(2)亀戸天神社

2つ目のスポット。茨城県南地域から近い、東京の下町、江東区亀戸にある、亀戸天神です。
◎亀戸天神社HP:  http://kameidotenjin.or.jp/

●ウソ替え神事とは?

天神様ゆかりの鳥とされている「ウソ」。
ウソは首から頬にかけて濃いピンク色、頭と尾は黒、胴体はグレーのきれいな小鳥です。

一説のよると、ウソの漢字表記『鷽』が、学問の『学』の古い字体『學』に似ていることから、学問の神様の天神様ゆかりの鳥とされたとも言われているそう。

亀戸天神では、毎年1月24,25日は、『鷽替え(うそかえ)神事』という神事が行われるとのことで、大勢の人が参拝に訪れます。
この時だけ領布されるウソの木彫りは、神職の手で一つ一つ彫られたものだそう! 

★鷽替え(うそかえ)神事:(wikipediaより)
鷽替え(うそかえ)とは、主に菅原道真を祭神とする神社(天満宮)において行われる神事である。鷽(ウソ)が嘘(うそ)に通じることから、前年にあった災厄・凶事などを嘘とし、本年は吉となることを祈念して行われる。

とのことで、前年に購入した木彫りの「ウソ」を、新しい木彫りに取り換える神事だそうです。



酉年にちなむ神社仏閣~その1・神社編(茨城及び近郊)~

数年前に行った時の亀戸天神の様子。
この日にしか手に入らないお守りを求めて、うそ替え神事に参加する人の長蛇の列!
(2013年撮影)







酉年にちなむ神社仏閣~その1・神社編(茨城及び近郊)~
亀戸天神の木彫りウソの大きさと料金表。
可愛いサイズから巨大なサイズまで。









酉年にちなむ神社仏閣~その1・神社編(茨城及び近郊)~
私も3年ほど前、亀戸天神の鷽替えに行って、小さな木彫りのウソを買ってきました。
私の場合、翌年に新しい木彫りに変えることなく、ずっと飾っております(^^)v。
(一番小さなサイズを購入♪)








鷽替え(うそかえ)神事は、全国にある天満宮でも何箇所か行われているようです。
全国的に有名なのは本家の、九州・福岡の大宰府天満宮の鷽替え神事ですが、都内や東京近郊では、亀戸天神の他にも、湯島天神、上野五條天神社、千葉神社でも鷽替え神事が行われているようですね。

ただ、残念なことに、茨城県内では鷽替え神事はおこなっている天神様、天満宮は無い模様。
うちも子供が受験の頃、よくお参りに行った常総市にある大生郷天満宮(おおのごうてんまんぐう)。そこでも鷽替え神事行われていないようで、ちょっと残念・・・泣


【ご当地グルメ】

古くからの名物が、亀戸天神の門前で売られているくず餅
江戸時代からの名物♪

他にも  
亀戸ホルモン
亀戸餃子
も、気になっています(^^) 
下町ならではのご当地グルメですねグルメ


酉年にちなむ神社仏閣~その1・神社編(茨城及び近郊)~
東京スカイツリーと亀戸天神。
新旧そろい踏みの名所キラキラ









3)鷲宮神社(わしのみやじんじゃ)
 

3つめのスポットは、茨城県西からは近い、埼玉県久喜市にある鷲宮神社。
◎鷲宮神社 HP: www.washinomiyajinja.or.jp/

(wikipediaより)
関東地方では鷲宮神社(埼玉県久喜市)が、(各地にある「お酉さま」と呼ばれる)鷲神社(とりじんじゃ)の本社とされる。
ちなみに、関西地方では大鳥大社(大阪府堺市)が本社とされる


とのことです。

酉年にちなむ神社仏閣~その1・神社編(茨城及び近郊)~
天穂日命(アメノホヒノミコト)とその子の武夷鳥命(タケヒナトリノミコト)、大己貴命(オホナムヂノミコト)がご祭神。
農業、養蚕、殖産の神様のようです。

また最近では、アニメ「らき☆すた」の舞台のモデルになったとのことで、ファンの方のものらしい絵馬なども多く見かけました。




酉年にちなむ神社仏閣~その1・神社編(茨城及び近郊)~
2年ほど前に、この鷲宮神社に行った時の写真。
広々とした境内。








酉年にちなむ神社仏閣~その1・神社編(茨城及び近郊)~
本殿。
とてもいい雰囲気の神社でした。








酉年にちなむ神社仏閣~その1・神社編(茨城及び近郊)~
力石もありました。
(以上 鷲宮神社の写真は2015年撮影)








【ご当地グルメ】

久喜名物「塩あんびん」 

久喜市HPによると、
「久喜市などの埼玉県北東部の農村に昔から伝わる郷土のお菓子です。砂糖を一切使わない、塩だけで練り上げた小豆あんをやわらかいお餅で包んでいます。」
とのことで、現在、7件ほど塩あんびんを作っている和菓子屋さんがあるもよう。

ちなみに、先にも「とんにょこ」の名称を教えて頂いた だぁな(@mda_abm )さんより、
「塩あんびん」についても、今回情報を頂きました♪
埼玉県内の道の駅で取り扱っていそうな所がある・・・とのこと。
これは買いに行きたいグッド


(4)その他

●2系統ある「お酉さま」?

おおとり神社、わし神社・・・と呼ばれる神社は、たくさんありますね。
「鷲」と書いて「わし」と読ませたり、「とり」と読ませたり、いろいろ。

さて、お酉さまと言いますと、11月~12月に各地で行われる酉の市。
その時に売られる熊手が年末の風物詩です。

酉の市で有名なのは、つくばエクスプレス沿線では、浅草の鷲神社 (台東区)(おおとりじんじゃ)。
通称「お酉さま」
こちらは、江戸後期ごろから酉の市が盛んになって、今に至っているとのこと。

ここの祭神は、天日鷲命(あめのひわしのみこと)と、日本武尊(やまとたけるのみこと)
ちなみに、最初に紹介した、鷲子山上神社とご祭神(天日鷲命)が同じ。

関東の「お酉さま」の総本社という鷲宮神社のご祭神(天穂日命、武夷鳥命、大己貴命)とは違うんですね。

関東では、「お酉さま」は少なくとも2系統があるのかな・・・。
天日鷲命も、天穂日命も、どちらも主に、農業・漁業、殖産など産業の神様。

歴史も含め、その辺りを調べると、興味深いことが出てきそうですね鉛筆


●鳩

『鳩』は、八幡神のお使いとされています。
なので、『鳩みくじ』がある八幡宮もあったり、また神額の八幡宮の文字が『鳩文字』になっている八幡宮もありますから、お参りに行った際に確認してみて下さい(^^)。


●白鳥

茨城県内ですと、「白鳥神社」という神社がある場所がいくつかありますね。
日本武尊(やまとたけるのみこと)に関係する伝説を持つ場所もあるようです。



鷲神社」「八幡神社」「天神社」など、お近くにあることも多いと思います。
まずは近所の神社の行ってみるのも良いかもしれませんね。

続きます。
次回はお寺編です。
 → お参りに行きたい、酉年にちなむ神社仏閣~その2 仏閣編(茨城)





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徒然なるままに、興味のあることを気ままに書いています。好きなことばは「中途半端も、たくさん集まればいっぱい!」(ドラマのセリフ)

地元つくばや茨城の話題を中心に、茨城の食材を使った家庭料理、民俗学もどき、国際交流、旅の話題など、趣味の記事を掲載中。

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