古の『夫婦餅』を想い、筑波山頂で串餅と味噌田楽を食す。


筑波山の『夫婦餅』って聞いたことありますか?
現在の筑波山界隈では、見かけませんよね。

そこで、昔の文献を当たってみましたちょき


まず、江戸時代の文献(文献1)や、明治時代~大正時代の紀行記(文献2、3)などを読むと、

昔は筑波山頂の御幸ヶ原にあった5つのお店(五亭= 向月亭、放眼亭、迎客亭、遊仙亭、依雲亭)では、

餅でんがく』 別名 『夫婦餅

を供していたそうです。

また、明治~大正時代の歌人・小説家の長塚節(現在の常総市出身)が歌った長歌にも、
二月二十五日筑波山に登りて夫婦餅を詠ずる歌
というのがあります(文献4)

ちなみに、江戸時代は、筑波山頂では、上記の5つの店(五亭)のみが営業許可され、
出すものも『餅でんがく』のみだけが許可されていたそう。



今はお店の数ももう少しあり、もっといろんなメニューがあるのはご存知の通りです。

写真は現在の筑波山頂・御幸ヶ原の様子。
この日(今年10月中旬)は、あいにくの曇りで景色が見えずに残念。
でも登山には涼しくて良かったです。




さて、『でんがく』は『田楽』で、いわゆる味噌田楽のようです。

現在は味噌田楽といえば、こんにゃくが多いですが、
昔は豆腐を使った豆腐田楽を指していたようです。(参考サイト1、2)

筑波山の五亭で出されていた『夫婦餅』は、
串焼きの餅に豆腐田楽を添えたものをいうようです。
(※文献5に紹介されている、筑波山神社前の神田屋さんで40年程前まで売られていたという『夫婦餅』とはまた、別のもののようです)

明治後期~大正時代の歌人・随筆家・評論家の、大町桂月の随筆『春の筑波山』(文献3)によると、
『餅と田楽』を夫婦に見立てて、『夫婦餅』と呼んでいたそうです。

また、大町桂月が訪ねた頃(明治後期)は、その記述より
上記の五亭の中で唯一、依雲亭のみが営業していて
『夫婦餅』を供していたようです。

で、当時の『夫婦餅』(餅でんがく)とはどんなものか?

上述の大町桂月の『春の筑波山』にある記述、

その餅は、團子を平たくつぶしたるが如きものを竹串に刺し、之に田樂を添へたり。
何故に夫婦餅といふかと問へば、田樂と合せて食へばなりといふ。


これが、一番、当時の『夫婦餅』が分かりやすい記述に思いますグッド

お餅は串団子状ではなく、五平餅のような平べったい形だったようですね。
それに田楽(豆腐田楽か?)を添えていたもよう。

美味しそう!ハート
お餅と豆腐で、登山に疲れた体への滋養にもぴったり豆電球

男体山・女体山が仲良く並ぶ、良縁・夫婦円満の神様、筑波山

男体山と女体山の間にある御幸が原で食べるのは、やっぱり
『夫婦餅』=『串焼き餅&味噌田楽』ハート
でしょう!キラキラ

ということで、古の『夫婦餅』を求めて
10月のある週末、登山がてら、筑波山頂は御幸が原に行ってきました。

味噌田楽を供するお店もありました。
が、豆腐田楽でなく、こんにゃく田楽・・・残念。
現代では『味噌田楽』といえは『こんにゃく田楽』がほとんどなので、これはしょうがないかな。


こちらは『たかはし』さんで食べた味噌田楽。
自家製柚子味噌がいい塩梅の味ハート
美味しかったです。特に寒い時には熱々田楽は良いですね♪











串焼き餅・・・に近い『串団子』。
これを出すお店は少ないよう。
一番目立つのは、ケーブルカー山頂駅の売店。

丸いお団子3つが串焼きで売られています。
炭でこんがり焼かれていて食欲をそそりますハート
(写真はガラス越しなので一部窓の外の映りこみが入ってます)







ここで串焼き団子を購入。
塗られているのは、自家製くるみ味噌だそうです。
アツアツでボリュームたっぷりグルメ

でも、大町桂月の記述のような、
『團子を平たくつぶしたるが如きもの』
とは違うのが残念。



全部のお店を覗いていないのですが、味噌田楽と串焼き餅を、両方とも供するお店はなさそう?
(ご存じの方、情報頂けると嬉しいです)

串焼き餅と豆腐田楽が並んだ、『夫婦餅
縁起ものですし、婚活ツアーも多い筑波山ハートなので、是非復活すると良いのになぁ。

日本が誇る、ファストフード、串焼き餅と味噌田楽(^^)
餅と豆腐で滋養もバッチリ!
二つ揃って食べると縁起も良い!
となると、これは外せないちょき

是非、筑波山頂の『夫婦餅(焼き餅&豆腐田楽)』の復活を望みます!笑


豆電球なければ作っちゃえ!ということで、作ってみました!
【家庭で堪能!おいしい 茨城&つくば(74)】 古の筑波山の夫婦餅(餅でんがく)を再現♪


(追記)
文献6では、『五亭』の説明の中に
『名物の夫婦餅及田楽豆腐を鬻き参拝者の休憩に便にす。』
とあります。

文献の中でも
『夫婦餅』と『田楽(豆腐)』別々に言ったり、『夫婦餅=餅&田楽(豆腐)』としたり、2タイプあるようですね。

私見ですが、大町桂月の随筆の記述が一番詳しいことと、
呼び名の理由(餅と田楽を並べて『夫婦』)もさもありなんと思うので、
夫婦餅=餅&田楽(豆腐)
が当時一般的に言われていたのではないかと考えています笑



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【参考文献】

1. 『筑波山名跡誌 安永期の貴重な地誌再現 (ふるさと文庫)』 上生庵亮盛 著 桐原光明 解説 筑波書林

2. 『筑波山』 岩上長作 (東京交通世界社発行の復刻版) 崙書房

3. 『春の筑波山』 (桂月全集 第2巻 紀行1)大町桂月 著  日本図書センター
 ※茨城県立図書館にあります。

4. 『長塚節 歌集』 長塚節著   春陽堂
 ※茨城県立図書館にあります。

5.TX筑波山マップ 【Vol.18 2016年4月発行】(e-book)
   (つくばエクスプレス ホームページより)

6.『筑波誌<筑波山神社版>』  杉山友章 著 崙書房


【参考サイト】

1. 紀文ホームページ
https://www.kibun.co.jp/knowledge/oden/history/rekishi/

2. 日本豆腐協会ホームページ
http://www.tofu-as.com/tofu/history/15.html

3. つくばエクスプレスホームページ
http://www.mir.co.jp/
沿線情報>筑波山・筑波山麓ガイド より
TX筑波山マップ 【Vol.18 2016年4月発行】(e-book)










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