茨城県天心記念五浦美術館~異界へのいざない展 と 北茨城の旅 


茨城県天心記念五浦美術館~異界へのいざない展 と北茨城の旅
天心記念五浦美術館は行ってみたいと思いながら、なかなか行けなかった場所でした。
海を見渡せる、美しい美術館。

でも今回、「異界へのいざない~妖怪大集合 展」があると聞き、夏休みのドライブがてら、行ってきましたグッド



「異界へのいざない展」の展示内容については、8月1日につくば美術館での土曜講座で、天心記念五浦美術館の学芸員さんの講演を聞き、予習はばっちり♪ちょき

「妖怪」は私にとって、大好物の一つ(^^)ハート
さて、今回の企画展は美術館なので、妖怪については民俗学的アプローチというより、美術的アプローチ。
美術アプローチも大好きです。

展覧会は4部(4章)構成。

今回、私は個人的に、第一章の、江戸の浮世絵の版画のすごさに圧倒びっくりされました。
これは妖怪テーマだけではありません。
江戸の版画は、(彫りと摺りの)技術といい表現といい、本当に素晴らしい!キラキラ

また「百鬼夜行絵巻」の洒脱な筆致と、時を超えたユーモラスな表現を生で見ると、じわじわ~と楽しくなってきますグッド

妖怪と言えば、(第三章)牛久の河童の図で有名な小川芋銭や、最近ブームが来ている古河出身の河鍋暁斎(かわなべ きょうさい)、そして(第四章)知る人ぞ知る(私は今回初めて知りました)那波多目煌星の肉筆画も見られたのも良かった。

第四章の中で紹介されいた、川端龍子の超大作「沼の競演」、フジイフランソワの「胡蝶苑」も、大変惹かれました。


さて夏休みということもあり、また空前の(?)妖怪ブームもあり、小さい子供を連れた親子連れも多数。

そこでの、あるパパと幼稚園児くらいの男の子の会話

男の子 「ここにあるのは、本物(の妖怪の図)ではないね。」
パパ   「いや、本物だよ」
男の子 「いや、違うよ。妖怪ウォッチでは、この○○(妖怪名)のここはこんな感じだもん。本物じゃないよ」
パパ 「・・・でも、本物だよ(声がフェイドアウト)」

議論は論点がずれたまま、平行線の模様(^m^)

男の子の大人びた批判(?)口調と言い、父子間での「本物」の定義の違いといい(「本物」の妖怪ってむずかしい)、最後のお父さんの消え入りそうな声といい、はたで聞いている方は楽しくなりました。

同じように「妖怪(←妖怪ウォッチ)が見られる♪」
と思って親御さんと来た小さな子供達の
「???」という納得のいかない顔が、わかるような、愉快なような。

でも大人になって「あの時見たのは、これか!(美術館などで)」と思うことがあるので、この体験は無駄ではないですよ、ちびっこの諸君ちょき

私たちの世代には、水木しげるの世界などは、「ああ!これこれ♪」というストライクゾーングッドです。
本展覧会では第二章として「鳥山石燕と水木しげる」と題して古今の妖怪画二大巨匠のコーナーがありました。

でも、今回初めて、水木しげる大先生の原画を拝見しましたが、緻密さといい構図といい圧倒されましたグッド
「水木しげる=げげげの鬼太郎→アニメキャラ→ポップなデザイン」がほとんどの人の印象だと思いますが、
原画は本当にすごいですキラキラ
一枚一枚見入って(魅入られて?)しまいます。



茨城県天心記念五浦美術館~異界へのいざない展 と北茨城の旅
最後のコーナーは、特別展示として、2005年に公開された「妖怪大戦争」で使われた妖怪の撮影ジオラマや、人形(かぶりものも含む)の展示。
(ここだけ写真撮影OKだったので、写真があります)







茨城県天心記念五浦美術館~異界へのいざない展 と北茨城の旅
あの映画は、神木龍之介君の可愛さは特筆もの♪ハート以外は正直面白くない…もとい、好みの分かれる汗映画ですが、妖怪の人形の造形はすごい。

本当に妖怪が好きな人たちが作った映画なのだなぁと・・・(なら、もうちょっとストーリーを・・・ごほごほ・・・)。





茨城県天心記念五浦美術館~異界へのいざない展 と北茨城の旅
美術館の帰りに、六角堂(茨城大学五浦美術文化研究所)にも立ち寄りました。









茨城県天心記念五浦美術館~異界へのいざない展 と北茨城の旅
こちらは建物が有名ですが、庭もきれいですねキラキラ









茨城県天心記念五浦美術館~異界へのいざない展 と北茨城の旅
天心邸。
映画「天心」、今度見ようかな。









茨城県天心記念五浦美術館~異界へのいざない展 と北茨城の旅
六角堂の建物は、2011年の東日本大震災の津波で流されて、その後、2012年に再建されたものです。
海に近いとはいえ、高台にある天心邸や、近くの平潟には、津波の到達点をあらわす碑や看板がありました。
こんな高いところまで来たんだと・・・。





茨城県天心記念五浦美術館~異界へのいざない展 と北茨城の旅
写真は平潟港の近くにあった石碑。
津波の到達点が6.7mだったそうです。

妖怪は、昔の人が、理解に苦しむ現象や、自然や物への畏怖を、「妖怪」という形で表現したものだと思います。
でも一番怖いのは、人間が太刀打ちできない自然の脅威と、一線を越えてしまった人間の行為そのものでしょう・・・。




茨城県天心記念五浦美術館~異界へのいざない展 と北茨城の旅
六角堂の近くには、江戸時代の水戸藩領名物(?)水戸黄門名所の1つ「水戸黄門の井戸」
きれいな水が湧いていました。
きれいな水が湧き続けているのも、自然の恵み(実は自然の脅威と紙一重?)なんですよね。

自然現象には、畏怖と同時に感謝もしないといけないなぁと、あらためて思いました。




【今日のおみやげ】


茨城県天心記念五浦美術館~異界へのいざない展 と北茨城の旅
まずは今回の企画展の図録。
これは必須♪ It's one of my treasure!










茨城県天心記念五浦美術館~異界へのいざない展 と北茨城の旅
そして、道沿いの海産物直売所で購入した、あんこうの干物(冷凍)と、あんこうの卵巣を干した珍味「ぬの干し」。
北茨城ならでは(*^^*)
これから大事に味わいますハート

→ 食べたレポートなど: 『茨城こんなもの見つけた♪(17) ぴーあんこうの干物と、あんこうのぬの干し




茨城県天心記念五浦美術館~異界へのいざない展 と北茨城の旅また、大津名物だという、あつあつの揚げたて「ちぎりあげ」
すっごい美味しかったです。しかもたくさん入って500円!(写真は既に数個食べたあと(^^))
また食べたい♪







茨城県天心記念五浦美術館~異界へのいざない展 と北茨城の旅妖怪と同じくらい(笑)、大好物の地酒♪
日立市(十王町)の地酒、富久心の純米吟醸 と、帰りがけに立ち寄った那珂市の木内酒造の菊盛の純米酒「風と水」ハート

楽しくて美味しくて、嬉しい日帰りプチ旅行でした笑



















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Posted by かるだ もん at 23:00│Comments(4)地域・お出かけ 
この記事へのコメント
子供達は、やっぱり妖怪ウォッチが基準になりますよねf^_^;)せっかくリアルに描かれていても、違うと言われたら親御さんもどうしようもないでしょうね( *´艸)( 艸`*)

ちぎり揚げ、美味しそう!
Posted by カンナユリ at 2015年08月21日 00:43
カンナユリさま

コメントありがとうございます(*^^*)
「これは妖怪でない・・・」というお子さんを見た時、遠い昔、水戸の徳川ミュージアムに親に連れられて行って、水戸光圀公関係の展示を見て、「水戸黄門でない・・・(←ドラマ水戸黄門のあのキャラと違う)」と思った時のことを思い出しました(^m^)

ちぎり揚げ、ふわふわなのにしっかりかまぼこの味がして、しかもイカもちょっと入っていて、美味しかったです!
Posted by かるだもんかるだもん at 2015年08月21日 19:43
妖怪展覧会、楽しかったですね♪特に「百鬼夜行絵巻」は素晴らしいですね!真っ赤で丸い二本足の妖怪「赤へる」が一番好きです!
幼稚園児には「これが本物だよ!妖怪ウォッチの人はこれ観て書いたんだから!」と誇らしげに云いたいですね?お父さん頑張れww

六角堂も見て海鮮丼を食べましたが、茨城は海あり山あり、魅力たっぷりですね!(*^^*)゙
Posted by ふるたこ at 2015年08月27日 01:12
ふるたこさま

コメントありがとうございます(*^^*)
美術的な面からの「妖怪」も見ごたえありましたね!
「百鬼夜行絵巻」は見ていて飽きません。本当面白いです。
「赤へる」は割と最初に出てくる妖怪ですね!図録を見直して発見しました♪ 私は琵琶と琴の妖怪が好きです(^^)。

海鮮丼召し上がったのですね! 海の幸、山の幸も嬉しい茨城ですよね♪
Posted by かるだもんかるだもん at 2015年08月27日 07:50
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徒然なるままに、興味のあることを気ままに書いています。好きなことばは「中途半端も、たくさん集まればいっぱい!」(ドラマのセリフ)

地元つくばや茨城の話題を中心に、茨城の食材を使った家庭料理、民俗学もどき、国際交流、旅の話題など、趣味の記事を掲載中。

特に自分の勉強も兼ねて、
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の話題が多いです。

・ヒッポファミリークラブ(多言語自然習得活動と国際交流)
・観光ボランティア
・郷土食研究会うまかっぺ!茨城

別館: 夢うつつ湯治日記 https://note.com/carfamom/

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