2014年10月31日
古代人の髪(みづら)!特別展『武者塚古墳とその時代』に行ってきました
古代人の髪(みづら)!特別展『武者塚古墳とその時代』 に行ってきました
土浦にある武者塚古墳が国の重要文化財に指定されたとのことで、それを記念した特別展『武者塚古墳とその時代』が、土浦の上高津貝塚ふるさと歴史の広場の考古資料館で行われています。
期間:平成26年10月18日(土曜日)~11月30日(日曜日)
武者塚古墳を有名にしたのが、しっかり残っていた古代人の髪の毛!
しかも、『みづら(角髪、美豆良)』の形を保ったまま。
『みづら』、聖徳太子の髪型でもおなじみ、顔の両側に、髪を束ねて留めている、あれです。
古代の貴人の男性の髪型だとか。
全国に古墳は数多かれど、髪の毛が残っているのは稀有で、あの吉野ヶ里遺跡の古墳にあったものと、この武者塚古墳で発見されたもの、のみだそうです。
しかも、『みづら』の形が保たれたまま発掘されたのは、土浦の武者塚古墳だけ!
みずら以外の頭髪と髭も残っていたとのこと(なお、頭髪は2体分だそう)。
その、稀有な『みづら』を含む頭髪、ひげに加え、刀や透かし彫りの銀の帯、勾玉など、発掘されたものの一部が、展示されているのです!
自称古墳ガールとしては、これは、見に行かないと!と先日行ってきました!(特別展の初日)
特別展図録
これは買いですよ!
見学に行った時、偶然にも学芸員さんの説明が聞けて、これまたラッキー!
説明が聞けると、背景も含め、理解が全く違いますね。
土浦近郊の他の古墳からの出土物も展示され、それとの比較も面白かったのですが、圧巻は、もちろん『みづら』。
遺骨は(他の5体も含め)ほとんど粉になっていたそうですが、奇跡的に残っていた髪の毛と髭。
酸性土壌(日本の土壌はほとんど酸性土壌)では、体毛は骨よりも残りにくいそうです。
そして、奈良・法隆寺の救世観音菩薩像の宝冠と、四天王像の宝冠のレプリカ。
レプリカといっても大変な芸術作品で、明治のころ、有名な金具師の方が復元したそう。
祐森米斎さんという方で、「本物と全く同じに出来なければ作らない」とおっしゃられたぐらい、こだわりと素晴らしい技術を持たれた方だったそうです。
こういうお話も学芸員さんの説明があってからこそ
(余談ですが、それも江戸時代まで、絶対の秘仏だった夢殿の救世観音菩薩像。これが最初に見られるようになった経緯、アメリカ人フェノロサによる調査など、これもすごい話。NHKの『歴史秘話ヒストリア』とか、『その時歴史が動いた』あたりでも取り上げられたことあるのかな?)
そういう説明を聞くと、宝冠にうっとり。
この宝冠(すなわち、法隆寺夢殿の救世観音菩薩像の宝冠と同じ)のデザインと、同じ意匠が、武者塚古墳から出土した宝冠の一部とみられる銀帯の透かし彫りに見られるとの説明。
これに合わせて、是非、武者塚古墳も行くと良いと思います。
武者塚古墳には、石棺しか残っていませんが、保護用の建物の中で石棺が見られます。
古墳のあった地(高台)に立ってこそ、感じるものもある・・・かもです。
学芸員さんのお話の中には、上宮王家(聖徳太子の一族)を支えた壬生氏との関係や、筑波山麓の大型の石棺(石室)を持つ中台古墳との関連のお話もチラリと。
(壬生氏は、筑波山麓や行方地方の開拓にも関わったとされる一族。常陸国風土記にも名前が出てきます)
古代ロマンたっぷりです。
詳細: 上高津貝塚資料館HP
【おまけ】
上高津貝塚ふるさと歴史の広場 も散策。
秋の高い空と植物と、復元された住居郡。
散歩にもぴったりのコース
ツタの葉も色づき始めていました。
この緑から深紅のグラデーションに色づいている頃が、個人的に好きです
園内には、土浦市内の別の所(木田余)にあった古墳(東台古墳群第13号古墳)の石棺を、移設して屋外展示してありました。
そばにあった説明板の中に、『この石棺は筑波山周辺に産出する雲母片岩を組み合わせて作られたもので…』の一文が。
昨年参加した別の説明会の時に、筑波山系の南部で産出する雲母片岩を使った石棺は、霞ヶ浦沿岸地域から千葉の方面の古墳に見られる・・・という説明を聞きました。
それを思い出しました。
・・・久々に、山岸 凉子の『日出処の天子』を読み直そうかなっと(^^)
土浦にある武者塚古墳が国の重要文化財に指定されたとのことで、それを記念した特別展『武者塚古墳とその時代』が、土浦の上高津貝塚ふるさと歴史の広場の考古資料館で行われています。
期間:平成26年10月18日(土曜日)~11月30日(日曜日)
武者塚古墳を有名にしたのが、しっかり残っていた古代人の髪の毛!
しかも、『みづら(角髪、美豆良)』の形を保ったまま。
『みづら』、聖徳太子の髪型でもおなじみ、顔の両側に、髪を束ねて留めている、あれです。
古代の貴人の男性の髪型だとか。
全国に古墳は数多かれど、髪の毛が残っているのは稀有で、あの吉野ヶ里遺跡の古墳にあったものと、この武者塚古墳で発見されたもの、のみだそうです。
しかも、『みづら』の形が保たれたまま発掘されたのは、土浦の武者塚古墳だけ!
みずら以外の頭髪と髭も残っていたとのこと(なお、頭髪は2体分だそう)。
その、稀有な『みづら』を含む頭髪、ひげに加え、刀や透かし彫りの銀の帯、勾玉など、発掘されたものの一部が、展示されているのです!
自称古墳ガールとしては、これは、見に行かないと!と先日行ってきました!(特別展の初日)
特別展図録
これは買いですよ!
見学に行った時、偶然にも学芸員さんの説明が聞けて、これまたラッキー!
説明が聞けると、背景も含め、理解が全く違いますね。
土浦近郊の他の古墳からの出土物も展示され、それとの比較も面白かったのですが、圧巻は、もちろん『みづら』。
遺骨は(他の5体も含め)ほとんど粉になっていたそうですが、奇跡的に残っていた髪の毛と髭。
酸性土壌(日本の土壌はほとんど酸性土壌)では、体毛は骨よりも残りにくいそうです。
そして、奈良・法隆寺の救世観音菩薩像の宝冠と、四天王像の宝冠のレプリカ。
レプリカといっても大変な芸術作品で、明治のころ、有名な金具師の方が復元したそう。
祐森米斎さんという方で、「本物と全く同じに出来なければ作らない」とおっしゃられたぐらい、こだわりと素晴らしい技術を持たれた方だったそうです。
こういうお話も学芸員さんの説明があってからこそ
(余談ですが、それも江戸時代まで、絶対の秘仏だった夢殿の救世観音菩薩像。これが最初に見られるようになった経緯、アメリカ人フェノロサによる調査など、これもすごい話。NHKの『歴史秘話ヒストリア』とか、『その時歴史が動いた』あたりでも取り上げられたことあるのかな?)
そういう説明を聞くと、宝冠にうっとり。
この宝冠(すなわち、法隆寺夢殿の救世観音菩薩像の宝冠と同じ)のデザインと、同じ意匠が、武者塚古墳から出土した宝冠の一部とみられる銀帯の透かし彫りに見られるとの説明。
これに合わせて、是非、武者塚古墳も行くと良いと思います。
武者塚古墳には、石棺しか残っていませんが、保護用の建物の中で石棺が見られます。
古墳のあった地(高台)に立ってこそ、感じるものもある・・・かもです。
学芸員さんのお話の中には、上宮王家(聖徳太子の一族)を支えた壬生氏との関係や、筑波山麓の大型の石棺(石室)を持つ中台古墳との関連のお話もチラリと。
(壬生氏は、筑波山麓や行方地方の開拓にも関わったとされる一族。常陸国風土記にも名前が出てきます)
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Posted by かるだ もん at 18:45│Comments(2)│地域・お出かけ
この記事へのコメント
去年、宍塚大池のあとに上高津貝塚ふるさと歴史の広場へ行きました。でも考古資料館には入りませんでした。
http://stk1031.blogspot.jp/2014/11/amor.html
http://stk1031.blogspot.jp/2014/11/amor.html
Posted by stk at 2015年06月13日 20:49
stkさま
コメントありがとうございます。
考古資料館は、企画展の時など行かれるとより面白いですよ♪
コメントありがとうございます。
考古資料館は、企画展の時など行かれるとより面白いですよ♪
Posted by かるだもん at 2015年06月14日 08:24
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