茨城県南西の七不思議(仮)その3


※2014年7月26日・8月2日に、FM84.2MHzラヂオつくば『つくばね自由研究クラブ』で放送した内容の再構築したものです。


不思議で、ちょっとロマンも感じる、昔から語られている、または忘れられようとしている「不思議」を、
自称つくばのミステリーハンター汗の私の好みで独自に7つ選定した
茨城県南の七不思議(仮) 」 
です。

今までのお話
豆電球茨城県南の七不思議(仮) その1
豆電球茨城県南の七不思議(仮) その2


今回は、残りの3つをご紹介します。

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5. 椿堂 かすみがうら市上土田  
     

かすみがうら市千代田支所のすぐそばに、椿堂遺跡という縄文遺跡があります。
国道6号から、千代田支所へ向かう県道 号沿い、道路を隔てて支所の向かい側にあるこんもりした森がそれです。
この椿堂付近に伝わる、不思議な話がいくつか伝わっているようです。 

1つは、江戸時代の、あの有名人が登場。
もう1つは、近年の目撃談のようです。

●ストーリー:
今のかすみがうら市千代田支所のすぐそばの椿堂。ここは昔、椿の木が茂り、中に入ったり、木を切ったり、枝を拾ったりするとたたりがあると恐れられている場所でした。
でも、夜に若い男性が通ると、「お兄さん、こっち、こっち」と綺麗な女性が誘ってくるということで、年頃の息子を持つ親は気が気でない場所でした。
それを伝え聞いた水戸光圀が、化け物を退治しようとこの地に来てこの森に入って行きました。するとそこには髭の長い仙人とお姫様がいて、「ここはあなたのような高貴な人がくる場所ではありません」というと同時に、気づくと黄門さまはその森の入口がある、水戸街道に出されていました・・・とさ。

また、時代はぐっと下って大正の中頃のこと、国道6号、水戸街道をある人が歩いていて、椿堂の付近に差し掛かると、椿堂の森の中から、ボロボロの武士の恰好をした人が、よろよろと出てきて、
『自分は、佐竹氏の家臣だが、戦でこのあたりを守っているときに、つい椿堂の森に入り、そこにいた女性とうつつを抜かしていた。でも戦のことを思い出して出てきた…』と話すと、そばの椿の花が枯れ、それを見たその武士は、悲しそうな顔をして消えていった・・・
という話も伝わっています。

※「椿堂遺跡」・・・市指定史跡 縄文遺跡


 
ちょうど、現在のかすみがうら市の千代田支所(旧 千代田町役場)のすぐそば、道路の向かい側に、こんもりと木が茂った場所があります。











『椿堂』らしく、椿の木もありました。
実がなってます。










私たちが言った時は、7月の中旬でした。
フェンスで囲われたそこの区画ですが、フェンスが見えなくらい木や草が茂って、歩道まではみ出していました。
部活に行くらしい中学生とすれ違いましたが、すれ違いにくく、支障をきたすくらいでした(^^;)








草に埋もれるバス停(^^;)

役場の目の前ですし、役場の前の名所案内板にも『椿堂遺跡』と書かれていますし、草刈が行われていても良さそうなのが放置されているので、いまだに木や草を刈るのは嫌がられているのかなぁ?? 
単に予算がないだけかも?
※その後、もしきれいに下草が刈られていたら、ごめんなさい~。




※ちなみに、県南県西地区ではなくなりますが、水戸黄門がらみでストーリのとても似ている話が、涸沼川下流、大洗の織姫塚に伝わっています。
 ワカメとアワビの妖怪も出てくる話で、こちらの方が知られているかもしれませんね(^^)。


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さて、ここからは、いよいよ、県南2大名所にして、自然の宝庫! 霞ヶ浦と筑波山に伝わるお話です。
もう現代では見られないであろう幻想的な景色へのオマージュとして、最後に2つ選びました。


6. 夜に光る湖面 霞ヶ浦 

ますは霞ヶ浦から。

●ストーリー:
まだ霞ヶ浦の水がきれいだったころ、夜に漁に出ると、水面に光る泡のようなものが見られた。櫓や網につくと、それも光った。

これは「出島村の昔ばなし」という本に書かれているお話ですが、不思議な話ということでなく、昔の漁師さんの経験談からの抜粋です。
話されている漁師さんも怪奇現象としてとらえてなく、『光るあぶくみたいな現象』というとらえ方で話されています。

「不思議話」を解析するのは無粋なのですが、昔は霞ヶ浦は汽水湖で、海水の流入も多く、海に住む魚も多く採れたそうです。
それで、素人考えながら、海ほたるのような発光性プランクトンとかも、昔の霞ヶ浦にはいたのではないかなぁと思います。

この漁師さんの話にも、『水面をたたくと、光った』とありますので、刺激が加わると光るプランクトンのような生き物ではないかなと。
専門家のご意見を聞きたいところです。



7. 龍燈  筑波山(山頂)

そして、最後はやっぱり、筑波山!

●ストーリー:
  筑波山では、毎年五月晦日の夜に龍燈が現れる。東海から火が飛んで来る。
  すると それに合わせて、山中や池などから 数百もの竜燈が出現する。小の月だと29日に起きるという。
  毎年この夜、人々が参詣して見に来るが、山を越えて林に入ってくる火が蛍のよう集まるという。  

 これは、前々回の『2.宗運狸(そううん むじな)』でも紹介した、江戸時代の聞き書き書 津村淙庵『譚海』」に書かれていて、『龍燈』という『不思議現象』として伝わっているようです。
 『筑波山』(木村繁 著)では、蜃気楼か、雷の前の発光現象(セントエルモの火)ではないかとしています。

 しかしここで、浮かぶのは、前述した『6.霞ヶ浦の光る湖面』のお話です。

 月のない晩、現代とは違い、まっ暗な夜に、霞ヶ浦の発光性プランクトンや、ホタルイカのような大量の発光性生物の光が遠くに見え、同時に筑波山に住むホタルが飛び交っている景色が重なっているのではないかと考えれないでしょうか。

 というのも、ミソは『毎年五月晦日』にみられるという言い伝えです。

 旧暦五月は、今の暦では大体、6月~7月ぐらい。 
 それに『晦日』は、月の最後の日で、旧暦ではその頃は必ず、月は新月前後です。

 6.でも書きましたが、昔の霞ヶ浦は、海水が流入していて、海の魚も取れていたそうです。
 初夏の新月、産卵かなにかで光る、海洋性の発光生物が豊富に霞が浦にいたのではないか。

 ※ちなみに、ウミホタルは新月の夜、交尾のために発光するそうです。
 また、例えば、ホタルイカの『身投げ』という現象があるそうです。産卵間近なホタルイカや、産卵が終わったホタルイカが浜辺に打ち上げられる現 象で、いろいろ条件があるそうですが、その中に新月前後に見られやすいというのがあるそうです。

 同じこの時期、筑波山付近にも、ホタルがたくさん乱舞してたのではないか(今も、筑波山付近はホタルがいますよね)。

 昔は今と違い真っ暗です。特に新月は月明かりはありません。そしてたぶん、昔の人は、今の人より視力は良さそう。

 そういった光景を『霞ヶ浦の竜燈が、筑波山まで飛んでくる』と表現したのではないか・・・と思うのですが。
 これも専門家の方に伺いたいですね笑

 最後の二つは、もう見られない、霞ヶ浦と筑波山の自然現象・・・かもしれない情景を伝えるものとして、茨城県南七不思議に加えてみました。
 実際に見られたら、どんなに幻想的でしょう!! キラキラキラキラ


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 以上、茨城県南・県西地区に伝わる、不思議で、ちょっとロマンも感じる、または忘れられようとしている「不思議」話を7つ選んでみました。

 7つ選ぶにあたって、今回、泣く泣く選外にしたお話もたくさんあります。汗
 それらはまた折を見て、お話出来ると良いなぁと思っていますちょき

 いや~、不思議な伝説って、面白いですね!!笑



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【参考文献】

『平成23年 特別展 妖怪見聞』 茨城県立歴史館 編集・発行
『民話100話 土浦ものがたり』 本堂 清   常陽新聞社
『千代田村の昔ばなし』 仲田 安夫  筑波書林
『出島村の昔ばなし』  塙 義郷  筑波書林
『筑波山』 木村繁  朝日新聞水戸支局
『津村淙庵 『譚海』  日本庶民生活史料集成 第八巻』  三一書房
『茨城の伝説と史跡』 茨城新聞社編  暁印書館
















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この記事へのコメント
いつもありがとうございます!
泣く泣く選外にしたお話、楽しみにしています(笑)
地元散策がより面白くなりますよね(´∀`)
Posted by つくばちゃんねるつくばちゃんねる at 2014年09月09日 09:27
つくばちゃんねる さま

こちらこそありがとうございます!

>地元散策がより面白くなりますよね(´∀`)
そうなんです!そういう視点で見ると、見慣れた景色も建物もとても新鮮に見えますし、楽しくなるんです。
そう思って下さる方が増えたら良いなぁと思って、ブログ書いていますので、つくばちゃんねるさんのコメント、大変嬉しいです(*^^*)

選外にしたお話も、いつになるか分かりませんが、ご紹介出来るよう、がんばります∠(`・ω・´)
Posted by かるだもんかるだもん at 2014年09月09日 19:15
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徒然なるままに、興味のあることを気ままに書いています。好きなことばは「中途半端も、たくさん集まればいっぱい!」(ドラマのセリフ)

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