茨城県南西の七不思議(仮)その1


※2014年7月26日・8月2日に、FM84.2MHzラヂオつくば『つくばね自由研究クラブ』で放送した内容の再構築したものです。


夏・・・といえば、怪談話、妖怪話。

東京あたりですと、落語や講談になっているせいか、江戸時代から、「本所七不思議」、「麻布七不思議」なぁんてぇのが、有名ですが、
ここ茨城にも昔から語られる「不思議話」はたくさんあります。

ありすぎて困ります。

・・・で、まずは県南エリアで昔から語られている、不思議な話を7つ選ぼうと思います。

で、あくまでも独自の基準で選びたいのですが、

まずよく知られている話、例えば、

・累(かさね)が淵
・牛久の河童 
・女化神社の狐伝説
(・岩間の天狗(愛宕神社の十三天狗) ・滝夜叉伝説)

は、外します。

というのも、ほとんどが江戸で、歌舞伎や講談、落語で有名になった話でもあり、有名すぎるのもあり、つまらないぶーっ
また、牛久の河童は話というより小川芋銭(うせん)の絵で有名なので、選定から外します。

あと、いわゆる幽霊の話は、背景に悲しい出来事汗や、悲惨な事件汗があったりするので、
怖いといより、悲しくなる ので、これも入れたくありません。

それから、最近の都市伝説、
例えばつくばで有名なのは「姉さん」の字が浮かんだアパートなどですが、
こういった話はもう100年、200年語られ続けて熟成させたい芽ので、これも外します。

と、いろいろ、うるさい基準を云いましたが、

つまりは、

不思議で、ちょっとロマンも感じる、昔から語られている、または忘れられようとしている「不思議」を、

自称つくばのミステリーハンター汗の私の好みで独自に7つ選び、

「茨城県南の七不思議(仮)」 

を選定しまてみましたハート

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1.河童の手のミイラ  土浦 佐野子 
  
土浦の佐野子地区に伝わる、『河童の手のミイラ』です。
毎年6月上旬に 『佐野子かっぱ祭り』というお祭りがあり、そこで、1年に1回だけ、『河童の手のミイラ』が公開されています。

また、何年か前に、茨城県立歴史館の特別展で展示されていたこともあったので、見たことがある方もいらっしゃると思います。
私も2回、拝見しましたちょき
子供の手のように小さい手と腕のミイラです。ミイラのせいか、細くて白くて、繊細な感じがしました。

これにまつわるお話があります。

●ストーリー:
昔、桜川に河童が住んでいて、馬を脅かしたり、子どもを水にひっぱりこんだりの悪さをしていて村人は困っていた。
ある日、相撲の強い村人が、川を通りがかった時に馬に悪さをしようとした河童を投げ飛ばして、捕まえた。
村人達は河童には怒っていたので、殺してしまえ!と息巻いていたが、佐野子の寺にいたお坊さんが「殺すのはどうか」ということで、二度と悪さをしないように、腕を一本折って、逃がした。

その手が、今も保存されていて、年に一回「佐野子河童まつり」で公開されているのですびっくり


この手を見せると川が洪水になるということで、絶対人目にさらしていなかったそうですが、近年は博物館でも「河童の手のミイラ」とういことで公開されるなっためか、はたまた、治水工事で洪水の恐れもなくなったせいか、
最近は年に一回、「佐野子かっぱまつり」でも見られるようになりましたちょき
今度は、町おこしに活躍中なんですね!河童の手のミイラ♪







佐野子かっぱまつりの様子
 詳細は 過去の記事→ 佐野子のかっぱまつり










河童の手のミイラが納められていたお寺の後にある佐野子の公民館の敷地には、河童の石造が、りっぱな祠の中に祀られています。
祠の脇には、この地に伝わる河童伝説が書かれたパネルもありました。

河童を投げ飛ばした人の子孫の方も、この地におられるそうです!







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2.宗運狸(そううん むじな) ※  つくばみらい市(旧伊奈町)、常総市(旧水海道市)   
 ※狸は、タヌキと読むかムジナと読むか不明なのですが、地名由来の話もあるので、ここではムジナと呼びます。

●ストーリー:

(1) 伊奈町バージョン:
昔、飯沼の弘経寺に来ていた僧の一人に宗運という優秀なお坊さんがいた。
ある時、村での行事に出てお酒を飲みすぎて眠ってしまい、その時、尻尾が出てしまって、宗運はムジナだということがばれてしまった。
恥じた宗運は、お寺のご神木の杉の木に登り、「南無阿弥陀仏」と唱えると、天からご来光が来て、宗運は落ちてしまい、鬼怒川に流された。それから数日後、今度は小貝川のほとりに一匹のムジナの死体が流れ着いた。
話を伝え聞いていた村人達が、鬼怒川から小貝川まで流れてきた宗運の姿だとことで、その近くの浄圓寺に葬った。
そのムジナが流れ着いた場所は、狸淵(むじなぶち)と呼ばれるようになった。


でも、内容的にどうもそのもとになったのが、こちらのバージョンに思われます。

(2) 水海道市バージョン:
昔、飯沼の弘経寺に来ていた僧の一人に宗運という優秀なお坊さんがいた。ある時、法要で村人とともに踊り明かし、疲れ果てて、前後不覚になってしまった。それを恥じた宗運は鬼怒川に身を投げてしまった。


そして面白いことに、これらの話が江戸に伝わって、ちょっと違うバージョンで記録されています。
津村淙庵という方の書いた『譚海』という本に書かれていますが、

(3) 江戸バージョン:
狸の名前は『狸宗固』。狸宗固は飯沼弘経寺の僧に化けていたが、ある日昼寝をして正体を知られてしまった。しかし、長く仕えたというので、その後もお寺で給仕させていた。

淙庵さんが江戸で聞いたらしい伝聞なので、話も結構変わって伝わったのでしょうか。なお、『譚海』では飯沼弘経寺は下野と記載されています。本当は下総の間違いではないかと。

それにしても、伝聞の変化が興味深いです。




常総市(旧 水海道市)にある、弘経寺(飯沼の弘経寺)
江戸時代の関東十八檀林(浄土宗のお坊さんを養成する学問所でもある、十八の寺)の一つ。
二代将軍 徳川秀忠の息女 千姫のお墓があるのでも有名。








お賽銭箱にもさりげなく、葵の御紋。










宗運狸が登ったという、ご神木の大きな杉の木。
大変立派です。











その木の下にある『宗運堂』
宗運が彫ったという木のお面が祠に安置されています。










つくばみらい市(旧 伊奈町)
宗運狸の遺体が流れ着いたという、狸渕(むじなぶち)周辺。










標識にも『狸渕』と。













宗運狸が葬られたという、浄圓寺。

狸渕の近くです。










葵の御紋のガラス戸です。

ちなみに、この近くには、間宮林蔵の生家と資料館もあります。








以下、続きます。 
乞うご期待! → 茨城県南西の七不思議(仮)その2




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豆電球参考文献

『平成23年 特別展 妖怪見聞』 茨城県立歴史館 編集・発行
『民話100話 土浦ものがたり』 本堂 清  常陽新聞社
『水海道市史 上巻』  水海道市史編さん委員会
『伊奈町の歴史散歩』 伊奈町社会教育講座 歴史教室  筑波書林
『津村淙庵 『譚海』  日本庶民生活史料集成 第八巻』  三一書房
『茨城の伝説と史跡』 茨城新聞社編  暁印書館















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徒然なるままに、興味のあることを気ままに書いています。好きなことばは「中途半端も、たくさん集まればいっぱい!」(ドラマのセリフ)

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特に自分の勉強も兼ねて、
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・観光ボランティア
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