『おでにちさま』の飾り


先日、9月中旬ごろ、ランニングの途中で、写真のようなワラで編まれた『飾り』を見かけました。


場所はつくば市の手代木地区付近の用水池(通称:千上池)。

スマホを持って走っているので、こんな時、写真が撮れて便利ちょき

何だろう?と近づいていくと・・・






細い竹の棒が池の中に立てられ、棒の先には、帽子のような、不思議な形のワラ細工が括りつけられています。
何かのお祀りの飾りっぽい。

実は数年前も同じものが立てられているのを見て、とても不思議びっくりに思っていました。






近くの農家の方に訊いてみると・・・。

・『おでにち様』という集落の祭事の飾り。

・『おでにち様』は豊作祈願のために、大体毎年9月初旬頃、行われる。

・この辺りの地区の5か所の『つぼ(坪?)』(集落?)の中で持ち回りで、担当になったお宅で『おでにち様』の集まりがある。

・昔は手代木区内にあるお寺(遍照院)に集まって、遍照院の本堂の裏手にある仏像をお祀りしていた(その際、お顔を隠す筵も新調して編んだらしい)が、ある時からお寺で行えなくなったので、担当の家に集まってお祭りをするようになった。


なのだそうです。


また、別の方の農家の方にもお話が聞けて、

・『おでにち様』はお日様の神様で、雨乞い的な要素もあるらしい。


・わらで編んだ飾りは、昔は、俵の『ふた』を使った。
今は、俵の『ふた』の形に編んだもの。

・手代木にある千上池に竹竿を刺して、その上にわらで編んだ俵のふたを飾る。
 この飾りは、千上池1か所だけで、他には飾らない。

・『昔は水がなくて農作物が採れなくて困った地域だったので、水が得られるように、池に刺して祈願したのではないか』 とのこと。

なのだそうです。


『おでにち様』は、『お大日(だいにち)様』ではないかと思い、どちらの方にも訊いてみました、それはよくわからないそうです。

文献1で(旧)谷田部町の所を読んでみましたが、『おでにち様』らしいものは、明記されていませんでした。

でも、私の推測ですが、多分、大日如来信仰と作神信仰が混淆した、古くからの民間信仰に思えます。

文献2では、筑波山麓 真壁町にある最勝王寺の『大念仏』という祭事や、稲敷郡地方の『大日祭』から、大日如来信仰と豊作祈願の太陽崇拝が結びついている例を挙げています。

また谷田部地区には、石の板に仏像のレリーフを刻んだものが、あちこち(旧集落の集会所や神社の近く等)で見られます。
仏像は、鼻が大きい特徴的な風貌が共通しています。

文献2によると、これらは、筑波山南麓から常総地域を中心に点在しているそうで、
江戸時代初期、寛永年間のわずかな期間にだけ作られた、大日如来像だそうです。

そういう石仏が見られることもあり、多分、『おでにち様』は『お大日様』で、大日如来信仰と豊作祈願が混ざった信仰が古くから伝えられてきて、今も続いているのではないのかな・・・と思うのですが、どうなんでしょう。

ちなみに、文献1には、近くの谷田部町谷田部台町のお念仏の中に、『大日様唱え』というのがありました。
詳しい方、ご教示下さいませ。


今年の夏は記録的な酷暑が続いた上に、毎週のように台風が来るので、農産物の被害が心配です。
どうか被害が大きくならなりませんように・・・。


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【参考文献】

1.『昭和42年度 筑波研究学園都市地区 民俗資料緊急調査報告書』 茨城県教育委員会

2.『常総・寛永期の大日石仏』 徳原聰行 編著  筑波書林








  

プロフィール
かるだ もん
かるだ もん
徒然なるままに、興味のあることを気ままに書いています。好きなことばは「中途半端も、たくさん集まればいっぱい!」(ドラマのセリフ)

地元つくばや茨城の話題を中心に、茨城の食材を使った家庭料理、民俗学もどき、国際交流、旅の話題など、趣味の記事を掲載中。

特に自分の勉強も兼ねて、
★民話・伝説紹介と、それにちなむ土地めぐり
★茨城を中心に、全国の郷土料理と食材(世界の料理も含む)の話題
の話題が多いです。

・ヒッポファミリークラブ(多言語自然習得活動と国際交流)
・観光ボランティア
・郷土食研究会うまかっぺ!茨城



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